シボレー:6E型エンジンの諸元と性能まとめ [V型8気筒6997cc]

ここではシボレーのX245A型6代目コルベット [Z06 C6] に搭載されている6E型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

6E型の自然吸気エンジン諸元


X245A型 コルベット 主要諸元まとめ
車両型式ABA-X245A
車名&グレードコルベット
Z06 C6
エンジン型式6E
種類V型8気筒
排気量6997cc
内径×行程104.7mm×101.6mm
ボアストローク比0.97
圧縮比11.0
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力511PS/6300rpm
最大トルク64.9kgm/4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、6E型エンジンはボア(内径)104.7mm、ストローク(行程)101.6mm、ボアストローク比0.97のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
6Eのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷434.9PS → 511PS
トルクの変遷64.9kgm → 58.1kgm
リッター馬力73.0PS/L
リッタートルク9.28kgm/L

今回の参考車両であるコルベットのV型8気筒6997cc、圧縮比11.0でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6300回転のとき最高出力511馬力を、6300回転のとき最大トルク64.9kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4800回転での馬力は434.9PS、最高出力が発生する6300回転でのトルクは58.1kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は73.0PS/L、トルクは9.28kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積874.7cc)あたりの出力は63.9PS、8.1kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が73.0PS/L、トルクが9.28kgm/Lである6E型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 5 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
104.7mm101.6mm6997cc11.00.97
ボアアップによる排気量拡大
105.2mm101.6mm7065cc11.10.97
105.7mm7132cc11.20.96
106.2mm7200cc11.30.96
106.7mm7268cc11.40.95
107.2mm7336cc11.50.95
107.7mm7404cc11.60.94
ストロークアップによる排気量拡大
104.7mm102.6mm7067cc11.10.98
103.6mm7135cc11.20.99
104.6mm7204cc11.31.00
105.6mm7273cc11.41.01
106.6mm7342cc11.51.02

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の104.7mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(104.7mm→107.7mm)した場合および、ストロークを純正の101.6mmから1mm刻みで+5.0mmまで延長(101.6mm→106.6mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

※ストロークアップと口で言うのは簡単なのですが、ロングストローク化するにあたってはクランクシャフトおよび対応コンロッドが必要になり、純正流用できない場合はワンオフで作らなければならないなど、とにかくお高く付きますので、手を出すには相当の覚悟を求められるメニューです。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.97からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。6E型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.97から0.94に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4800rpm
最高出力
6300rpm
101.6mm16.3m/s21.3m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm6.8m/s24.5km/h
4000rpm13.5m/s48.6km/h
6000rpm20.3m/s73.1km/h
8000rpm27.1m/s97.6km/h
10000rpm33.9m/s122.0km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが101.6mmのエンジンが最高出力を発生する6300回転での平均ピストンスピードは21.3m/sとなり、これは1秒間に21.3メートル(時速にすると76.7km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4800回転では16.3m/s、最高出力が発生する6300回転より500回転高い6800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は23.0m/sとなっています。

参考までにストロークが101.6mmの6E型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.77m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、5910回転くらいが良い感じの回転数になるのではないかと思いますが、このエンジンは最高出力を発生している時点で既に20.0m/sを超えており、レブリミットを考慮するともう少し余分に(300~500回転?)回ることから、内部では大変なことになりながらも頑張って回っているエンジンです。


6E型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
シボレー
X245A
コルベット
Z06 C6
(2012/08)
511PS
64.9kgm
6.1kmL
NA [FR/6MT]
クーペ
2人乗り
[投稿日:2016/11/11]

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