トヨタ 5E-FHE型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1496cc]

ここではトヨタのEXY10型の初代セラ [Super-Live-Sound] に搭載されている5E-FHE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

5E-FHE型の自然吸気エンジン諸元


EXY10型 セラ 主要諸元まとめ
車両型式E-EXY10
車名&グレードセラ
[Super-Live-Sound]
エンジン型式5E-FHE
種類直列4気筒
排気量1496cc
内径×行程74.0mm×87.0mm
単気筒容積374.2cc
ボアストローク比1.18
圧縮比9.8
燃焼室容積42.5cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力110PS/6400rpm
最大トルク13.5kgm/5200rpm

まず基本的な成り立ちとして、5E型エンジンはボア(内径)74.0mm、ストローク(行程)87.0mm、ボアストローク比1.18のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の5E-FHE型エンジンの場合の計算式は374.2cc÷(9.8-1)となり、燃焼室容積は42.5ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、5E-FHE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1990/03から発売された初代セラ [1993/12]、最も新しい車種は1995/08から発売された2代目サイノス [1997/12]となっており、全部で9車種(NA車9台・ターボ車0台)が登録されています。

5E-FHE型と類似するエンジン型式としては、[ 5E-FE型 ]の1種類があります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
5Eのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷98.0PS → 110PS
トルクの変遷13.5kgm → 12.3kgm
リッター馬力73.5PS/L
リッタートルク9.02kgm/L

今回の参考車両であるセラの直列4気筒1496cc、圧縮比9.8でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6400回転のとき最高出力110馬力を、5200回転のとき最大トルク13.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する5200回転での馬力は98.0PS、最高出力が発生する6400回転でのトルクは12.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は73.5PS/L、トルクは9.02kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.2cc)あたりの出力は27.5PS、3.4kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が73.5PS/L、トルクが9.02kgm/Lである5E型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 4 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
74.0mm87.0mm1496cc9.81.18
ボアアップによる排気量アップ
74.5mm87.0mm1517cc9.921.17
75.0mm1537cc10.041.16
75.5mm1558cc10.151.15
76.0mm1579cc10.291.14
76.5mm1599cc10.411.14
77.0mm1620cc10.531.13

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の74.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(74.0mm→77.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。5E型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.18から1.13に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
5200rpm
最高出力
6400rpm
87.0mm15.1m/s18.6m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.8m/s20.9km/h
4000rpm11.6m/s41.8km/h
6000rpm17.4m/s62.6km/h
8000rpm23.2m/s83.5km/h
10000rpm29.0m/s104.4km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが87.0mmのエンジンが最高出力を発生する6400回転での平均ピストンスピードは18.6m/sとなり、これは1秒間に18.6メートル(時速にすると67.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する5200回転では15.1m/s、最高出力が発生する6400回転より500回転高い6900回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は20.0m/sとなっています。

参考までにストロークが87.0mmの5E型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.80m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6900回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


5E-FHE型のエンジンを搭載する車種の例

全9件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
トヨタ
EXY10
セラ
Super-Live-Sound
(1993/12)
110ps
13.5kgm
12.0kmL
NA [FF/4AT]
クーペ
4人乗り
トヨタ
EL44
サイノス
B
(1994/09)
115ps
13.8kgm
14.8kmL
NA [FF/5MT]
クーペ
4人乗り
トヨタ
EXY10
セラ
Super-Live-Sound
(1993/12)
110ps
13.5kgm
14.6kmL
NA [FF/5MT]
クーペ
4人乗り
トヨタ
EL54C
サイノス
1.5B-Convertible
(1997/12)
110ps
13.9kgm
12.6kmL
NA [FF/4AT]
オープンカー
4人乗り
トヨタ
EL43
カローラII
ZS
(1993/08)
115ps
13.8kgm
14.8kmL
NA [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
トヨタ
EL54
サイノス
1.5B
(1997/12)
110ps
13.9kgm
13.4kmL
NA [FF/4AT]
クーペ
4人乗り
トヨタ
EL54
サイノス
1.5B
(1997/12)
110ps
13.9kgm
15.8kmL
NA [FF/5MT]
クーペ
4人乗り
トヨタ
EL43
カローラII
ZS
(1993/08)
115ps
13.8kgm
12.8kmL
NA [FF/4AT]
ハッチバック
5人乗り
トヨタ
EL44
サイノス
B
(1994/09)
115ps
13.8kgm
12.8kmL
NA [FF/4AT]
クーペ
4人乗り
5E型エンジンを搭載する車種の一覧表
パワーウェイトレシオ順(全33件)
[投稿日:2011/06/04 更新日:2016/11/01]

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