三菱 4D68型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1998cc]

ここでは三菱のN28WG型の初代RVR [Sport-Gear] に搭載されている4D68型のターボエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

4D68型のターボエンジン諸元


N28WG型 RVR 主要諸元まとめ
車両型式 KD-N28WG
車名&グレード RVR
[Sport-Gear]
エンジン型式 4D68
種類 直列4気筒
排気量 1998cc
内径×行程 82.7mm×93.0mm
単気筒容積 499.5cc
ボアストローク比 1.12
圧縮比 22.4
燃焼室容積 23.3cc
吸気方式 ターボ
使用燃料 ディーゼル
最高出力 94PS/4500rpm
最大トルク 20.0kgm/2500rpm

まず基本的な成り立ちとして、4D68型エンジンはボア(内径)82.7mm、ストローク(行程)93.0mm、ボアストローク比1.12のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の4D68型エンジンの場合の計算式は499.5cc÷(22.4-1)となり、燃焼室容積は23.3ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、4D68型のターボエンジンを搭載する最も古い車種は1991/02から発売された初代RVR [1996/05]、最も新しい車種は1995/10から発売された5代目ランサー [1997/08]となっており、全部で26車種(NA車0台・ターボ車26台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
4D68のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷69.8PS → 94PS
トルクの変遷20.0kgm → 15.0kgm
リッター馬力47.0PS/L
リッタートルク10.01kgm/L

今回の参考車両であるRVRの直列4気筒1998cc、圧縮比22.4でディーゼル仕様のターボエンジンは、4500回転のとき最高出力94馬力を、2500回転のとき最大トルク20.0kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2500回転での馬力は69.8PS、最高出力が発生する4500回転でのトルクは15.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は47.0PS/L、トルクは10.01kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの出力は23.5PS、5.0kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が47.0PS/L、トルクが10.01kgm/Lである4D68型のターボエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 1 ]、換算トルクが[ 2 ]の「心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
82.7mm93.0mm1998cc22.41.12
ボアアップによる排気量アップ
83.2mm93.0mm2022cc22.721.12
83.7mm2047cc22.971.11
84.2mm2071cc23.231.10
84.7mm2096cc23.491.10
85.2mm2121cc23.751.09
85.7mm2146cc24.001.09

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の82.7mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(82.7mm→85.7mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。4D68型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.12から1.09に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
2500rpm
最高出力
4500rpm
93.0mm7.7m/s13.9m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 6.2m/s 22.3km/h
4000rpm 12.4m/s 44.6km/h
6000rpm 18.6m/s 67.0km/h
8000rpm 24.8m/s 89.3km/h
10000rpm 31.0m/s 111.6km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが93.0mmのエンジンが最高出力を発生する4500回転での平均ピストンスピードは13.9m/sとなり、これは1秒間に13.9メートル(時速にすると50.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2500回転では7.7m/s、最高出力が発生する4500回転より500回転高い5000回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.5m/sとなっています。

参考までにストロークが93.0mmの4D68型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね6.20m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)6450回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


4D68型のエンジンを搭載する車種の例

全26件のうち、アクセスが多いものから順に上位10車種までを表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
三菱
N28WG
RVR
Sport-Gear
(1996/05)
94ps
20.0kgm
-
TB [4WD/5MT]
SUV
4人乗り
三菱
N28W
RVR
X
(1996/05)
94ps
20.0kgm
-
TB [4WD/5MT]
SUV
4人乗り
三菱
N48W
シャリオ
MX
(1996/05)
94ps
20.0kgm
-
TB [4WD/4AT]
ミニバン
7人乗り
三菱
CB8W
リベロ
XL
(2000/06)
88ps
18.0kgm
16.4kmL
TB [FF/5MT]
ワゴン
5人乗り
三菱
CB8W
リベロ
XL
(2000/06)
88ps
18.0kgm
14.0kmL
TB [FF/4AT]
ワゴン
5人乗り
三菱
CD8W
リベロ
Monte
(1997/10)
88ps
18.0kgm
-
TB [4WD/4AT]
ワゴン
5人乗り
三菱
N48W
シャリオ
MX
(1996/05)
94ps
20.0kgm
-
TB [4WD/5MT]
ミニバン
7人乗り
三菱
CM8A
ミラージュ セダン
VIE-Saloon
(1997/08)
88ps
18.0kgm
-
TB [4WD/5MT]
セダン
5人乗り
三菱
E77A
エテルナ
LU-4
(1994/10)
94ps
20.0kgm
-
TB [4WD/4AT]
セダン
5人乗り
三菱
E57A
エテルナ
LU
(1994/10)
94ps
20.0kgm
-
TB [FF/4AT]
セダン
5人乗り
4D68型エンジンを搭載する車種の一覧表
パワーウェイトレシオ順(全26件)
[投稿日:2011/06/01 更新日:2016/10/31]

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