トヨタ 3MZ-FE型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒+モーター3310cc]

ここではトヨタのMHU38W型2代目ハリアー ハイブリッド [Premium-S] に搭載されている3MZ-FE型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

3MZ-FE型の自然吸気エンジン諸元


MHU38W型 ハリアー ハイブリッド 主要諸元まとめ
車両型式DAA-MHU38W
車名&グレードハリアー ハイブリッド
[Premium-S]
エンジン型式3MZ-FE
種類V型6気筒+モーター
排気量3310cc
内径×行程92.0mm×83.0mm
単気筒容積551.7cc
ボアストローク比0.90
圧縮比10.8
燃焼室容積56.3cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力211PS/5600rpm
最大トルク29.4kgm/4400rpm

まず基本的な成り立ちとして、3MZ型エンジンはボア(内径)92.0mm、ストローク(行程)83.0mm、ボアストローク比0.90のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の3MZ-FE型エンジンの場合の計算式は551.7cc÷(10.8-1)となり、燃焼室容積は56.3ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、3MZ-FE型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は2005/03から発売された2代目ハリアー ハイブリッド [2010/08]、最も新しい車種は2006/10から発売された初代オロチ [2009/09]となっており、全部で3車種(NA車3台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
3MZのエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷180.6PS → 211PS
トルクの変遷29.4kgm → 27.0kgm
リッター馬力63.7PS/L
リッタートルク8.88kgm/L

今回の参考車両であるハリアー ハイブリッドのV型6気筒+モーター3310cc、圧縮比10.8でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力211馬力を、4400回転のとき最大トルク29.4kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4400回転での馬力は180.6PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは27.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は63.7PS/L、トルクは8.88kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積551.7cc)あたりの出力は35.2PS、4.9kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が63.7PS/L、トルクが8.88kgm/Lである3MZ型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 4 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
92.0mm83.0mm3310cc10.80.90
ボアアップによる排気量アップ
92.5mm83.0mm3346cc10.910.90
93.0mm3383cc11.020.89
93.5mm3419cc11.120.89
94.0mm3456cc11.230.88
94.5mm3493cc11.340.88
95.0mm3530cc11.440.87

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の92.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(92.0mm→95.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.90からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。3MZ型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.90から0.87に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4400rpm
最高出力
5600rpm
83.0mm12.2m/s15.5m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.5m/s19.8km/h
4000rpm11.1m/s40.0km/h
6000rpm16.6m/s59.8km/h
8000rpm22.1m/s79.6km/h
10000rpm27.7m/s99.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが83.0mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは15.5m/sとなり、これは1秒間に15.5メートル(時速にすると55.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4400回転では12.2m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.9m/sとなっています。

参考までにストロークが83.0mmの3MZ型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7230回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


3MZ-FE型のエンジンを搭載する車種の例

全3件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
光岡
MSP1
オロチ
BaseGrade
(2009/09)
233ps
33.4kgm
8.6kmL
NA [MR/5AT]
クーペ
2人乗り
トヨタ
MHU38W
ハリアー ハイブリッド
Premium-S
(2010/08)
211ps
29.4kgm
17.8kmL
NA [4WD/CVT]
SUV
5人乗り
トヨタ
MHU28W
クルーガーハイブリッド
BaseGrade
(2006/06)
211ps
29.4kgm
17.8kmL
NA [4WD/CVT]
SUV
7人乗り
[投稿日:2011/06/02 更新日:2016/11/01]

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