フィアット 169A3型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1368cc]

ここではフィアットの16914型2代目ニューパンダ [100HP] に搭載されている169A3型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

169A3型の自然吸気エンジン諸元


16914型 ニューパンダ 主要諸元まとめ
車両型式 ABA-16914
車名&グレード ニューパンダ
[100HP]
エンジン型式 169A3
種類 直列4気筒
排気量 1368cc
内径×行程 72.0mm×84.0mm
単気筒容積 342.0cc
ボアストローク比 1.17
圧縮比 10.8
燃焼室容積 34.9cc
吸気方式 自然吸気
使用燃料 ハイオクガソリン
最高出力 100PS/6000rpm
最大トルク 13.3kgm/4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、169A3型エンジンはボア(内径)72.0mm、ストローク(行程)84.0mm、ボアストローク比1.17のロングストローク型エンジン(ピストン径よりもストローク量のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ショートストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に優れ、扱い易いエンジンとされますが、高回転域では充填効率の悪化や摺動抵抗が増大して出力の低下が懸念されます。

なおかつ回転数も同一の場合、ショートストローク型に比べて平均ピストンスピードが高くなりがちなことから、エンジンへの負荷が大きくなる傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の169A3型エンジンの場合の計算式は342.0cc÷(10.8-1)となり、燃焼室容積は34.9ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、169A3型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は2004/07から発売された2代目ニューパンダ [2009/06]、最も新しい車種は2009/07から発売された3代目500C [2010/08]となっており、全部で3車種(NA車3台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
169A3のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷78.9PS → 100PS
トルクの変遷13.3kgm → 11.9kgm
リッター馬力73.10PS/L
リッタートルク9.72kgm/L

今回の参考車両であるニューパンダの直列4気筒1368cc、圧縮比10.8でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6000回転のとき最高出力100馬力を、4250回転のとき最大トルク13.3kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4250回転での馬力は78.9PS、最高出力が発生する6000回転でのトルクは11.9kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は73.10PS/L、トルクは9.72kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積342.0cc)あたりの出力は25.0PS、3.3kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が73.10PS/L、トルクが9.72kgm/Lである169A3型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 6 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の上)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
72.0mm84.0mm1368cc10.81.17
ボアアップによる排気量アップ
72.5mm84.0mm1387cc10.941.16
73.0mm1406cc11.091.15
73.5mm1426cc11.201.14
74.0mm1445cc11.341.14
74.5mm1465cc11.491.13
75.0mm1484cc11.631.12

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の72.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(72.0mm→75.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくとロングストローク型からスクエア型、あるいはショートストローク型の特性へと近付いていきます。169A3型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は1.17から1.12に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク 最大トルク
4250rpm
最高出力
6000rpm
84.0mm11.9m/s16.8m/s
回転数/分 秒速 時速
2000rpm 5.6m/s 20.2km/h
4000rpm 11.2m/s 40.3km/h
6000rpm 16.8m/s 60.5km/h
8000rpm 22.4m/s 80.6km/h
10000rpm 28.0m/s 100.8km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが84.0mmのエンジンが最高出力を発生する6000回転での平均ピストンスピードは16.8m/sとなり、これは1秒間に16.8メートル(時速にすると60.5km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4250回転では11.9m/s、最高出力が発生する6000回転より500回転高い6500回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は18.2m/sとなっています。

参考までにストロークが84.0mmの169A3型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.60m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7140回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


169A3型のエンジンを搭載する車種の例

全3件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ 車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
フィアット
16914
ニューパンダ
100HP
(2009/06)
100ps
13.3kgm
-
NA [FF/6MT]
ハッチバック
4人乗り
フィアット
31214
500
1.4-Sport
(2010/08)
100ps
13.4kgm
13.8kmL
NA [FF/5AT]
ハッチバック
4人乗り
フィアット
31214
500C
1.4 Lounge
(2010/08)
100ps
13.4kgm
13.8kmL
NA [FF/5AT]
オープンカー
4人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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