フィアット 149C2型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1584cc]

ここではフィアットの160C2型の初代ティーポ [BaseGrade] に搭載されている149C2型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

149C2型の自然吸気エンジン諸元


160C2型 ティーポ 主要諸元まとめ
車両型式E-160C2
車名&グレードティーポ
[BaseGrade]
エンジン型式149C2
種類直列4気筒
排気量1584cc
内径×行程84.0mm×71.5mm
単気筒容積396.2cc
ボアストローク比0.85
圧縮比9.5
燃焼室容積46.6cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力90PS/6250rpm
最大トルク12.5kgm/4250rpm

まず基本的な成り立ちとして、149C2型エンジンはボア(内径)84.0mm、ストローク(行程)71.5mm、ボアストローク比0.85のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の149C2型エンジンの場合の計算式は396.2cc÷(9.5-1)となり、燃焼室容積は46.6ccになります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
149C2のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷74.2PS → 90PS
トルクの変遷12.5kgm → 10.3kgm
リッター馬力56.8PS/L
リッタートルク7.89kgm/L

今回の参考車両であるティーポの直列4気筒1584cc、圧縮比9.5でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、6250回転のとき最高出力90馬力を、4250回転のとき最大トルク12.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4250回転での馬力は74.2PS、最高出力が発生する6250回転でのトルクは10.3kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は56.8PS/L、トルクは7.89kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積396.2cc)あたりの出力は22.5PS、3.1kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が56.8PS/L、トルクが7.89kgm/Lである149C2型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 3 ]、換算トルクが[ 1 ]の「控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
84.0mm71.5mm1584cc9.50.85
ボアアップによる排気量アップ
84.5mm71.5mm1604cc9.610.85
85.0mm1623cc9.710.84
85.5mm1642cc9.820.84
86.0mm1661cc9.910.83
86.5mm1681cc10.010.83
87.0mm1700cc10.120.82

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の84.0mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(84.0mm→87.0mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.85からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。149C2型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.85から0.82に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4250rpm
最高出力
6250rpm
71.5mm10.1m/s14.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.8m/s17.3km/h
4000rpm9.5m/s34.2km/h
6000rpm14.3m/s51.5km/h
8000rpm19.1m/s68.8km/h
10000rpm23.8m/s85.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが71.5mmのエンジンが最高出力を発生する6250回転での平均ピストンスピードは14.9m/sとなり、これは1秒間に14.9メートル(時速にすると53.6km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4250回転では10.1m/s、最高出力が発生する6250回転より500回転高い6750回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は16.1m/sとなっています。

参考までにストロークが71.5mmの149C2型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.75m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8390回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


149C2型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
フィアット
160C2
ティーポ
BaseGrade
(1990/11)
90ps
12.5kgm
10.3kmL
NA [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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