フィアット 149C1型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1498cc]

ここではフィアットのF46C1型2代目ウーノ [75SX-i.e.] に搭載されている149C1型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

149C1型の自然吸気エンジン諸元


F46C1型 ウーノ 主要諸元まとめ
車両型式E-F46C1
車名&グレードウーノ
[75SX-i.e.]
エンジン型式149C1
種類直列4気筒
排気量1498cc
内径×行程86.4mm×63.9mm
単気筒容積374.6cc
ボアストローク比0.74
圧縮比9.2
燃焼室容積45.7cc
吸気方式自然吸気
使用燃料レギュラーガソリン
最高出力75PS/5600rpm
最大トルク11.5kgm/3000rpm

まず基本的な成り立ちとして、149C1型エンジンはボア(内径)86.4mm、ストローク(行程)63.9mm、ボアストローク比0.74のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の149C1型エンジンの場合の計算式は374.6cc÷(9.2-1)となり、燃焼室容積は45.7ccになります。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
149C1のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷48.2PS → 75PS
トルクの変遷11.5kgm → 9.6kgm
リッター馬力50.1PS/L
リッタートルク7.68kgm/L

今回の参考車両であるウーノの直列4気筒1498cc、圧縮比9.2でレギュラーガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5600回転のとき最高出力75馬力を、3000回転のとき最大トルク11.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する3000回転での馬力は48.2PS、最高出力が発生する5600回転でのトルクは9.6kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は50.1PS/L、トルクは7.68kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積374.6cc)あたりの出力は18.8PS、2.9kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が50.1PS/L、トルクが7.68kgm/Lである149C1型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 2 ]、換算トルクが[ 1 ]の「やや心もとない出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
86.4mm63.9mm1498cc9.20.74
ボアアップによる排気量アップ
86.9mm63.9mm1516cc9.290.74
87.4mm1533cc9.380.73
87.9mm1551cc9.490.73
88.4mm1569cc9.580.72
88.9mm1587cc9.690.72
89.4mm1604cc9.770.71

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の86.4mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(86.4mm→89.4mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.74からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。149C1型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.74から0.71に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
3000rpm
最高出力
5600rpm
63.9mm6.4m/s11.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.3m/s15.5km/h
4000rpm8.5m/s30.6km/h
6000rpm12.8m/s46.1km/h
8000rpm17.0m/s61.2km/h
10000rpm21.3m/s76.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが63.9mmのエンジンが最高出力を発生する5600回転での平均ピストンスピードは11.9m/sとなり、これは1秒間に11.9メートル(時速にすると42.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する3000回転では6.4m/s、最高出力が発生する5600回転より500回転高い6100回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は13.0m/sとなっています。

参考までにストロークが63.9mmの149C1型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.25m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)9390回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


149C1型のエンジンを搭載する車種の例

メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
フィアット
F46C1
ウーノ
75SX-i.e.
(1991/01)
75ps
11.5kgm
9.9kmL
NA [FF/5MT]
ハッチバック
5人乗り
[投稿日:2016/11/05]

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