ベンツ 112M26型エンジンの諸元と性能まとめ [V型6気筒2597cc]

ここではベンツの211061型3代目Eクラス [E240 W211] に搭載されている112M26型の自然吸気エンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

112M26型の自然吸気エンジン諸元


211061型 Eクラス 主要諸元まとめ
車両型式GH-211061
車名&グレードEクラス
[E240 W211]
エンジン型式112M26
種類V型6気筒
排気量2597cc
内径×行程89.9mm×68.2mm
単気筒容積432.9cc
ボアストローク比0.76
圧縮比10.5
燃焼室容積45.6cc
吸気方式自然吸気
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力177PS/5700rpm
最大トルク24.5kgm/4500rpm

まず基本的な成り立ちとして、112M26型エンジンはボア(内径)89.9mm、ストローク(行程)68.2mm、ボアストローク比0.76のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の112M26型エンジンの場合の計算式は432.9cc÷(10.5-1)となり、燃焼室容積は45.6ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、112M26型の自然吸気エンジンを搭載する最も古い車種は1995/10から発売された2代目Eクラス [2001/01]、最も新しい車種は2003/08から発売された3代目Eクラス ステーションワゴン [2004/07]となっており、全部で10車種(NA車10台・ターボ車0台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
112M26のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷153.9PS → 177PS
トルクの変遷24.5kgm → 22.2kgm
リッター馬力68.2PS/L
リッタートルク9.43kgm/L

今回の参考車両であるEクラスのV型6気筒2597cc、圧縮比10.5でハイオクガソリン仕様の自然吸気エンジンは、5700回転のとき最高出力177馬力を、4500回転のとき最大トルク24.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する4500回転での馬力は153.9PS、最高出力が発生する5700回転でのトルクは22.2kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は68.2PS/L、トルクは9.43kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積432.9cc)あたりの出力は29.5PS、4.1kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が68.2PS/L、トルクが9.43kgm/Lである112M26型の自然吸気エンジンを、このサイトで登録している全てのNA車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 5 ]、換算トルクが[ 6 ]の「標準的な出力(中の下)のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.9mm68.2mm2597cc10.50.76
ボアアップによる排気量アップ
90.4mm68.2mm2626cc10.610.75
90.9mm2655cc10.710.75
91.4mm2685cc10.800.75
91.9mm2714cc10.910.74
92.4mm2744cc11.020.74
92.9mm2774cc11.130.73

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.9mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(89.9mm→92.9mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.76からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。112M26型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.76から0.73に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
4500rpm
最高出力
5700rpm
68.2mm10.2m/s13.0m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm4.5m/s16.2km/h
4000rpm9.1m/s32.8km/h
6000rpm13.6m/s49.0km/h
8000rpm18.2m/s65.5km/h
10000rpm22.7m/s81.7km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが68.2mmのエンジンが最高出力を発生する5700回転での平均ピストンスピードは13.0m/sとなり、これは1秒間に13.0メートル(時速にすると46.8km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する4500回転では10.2m/s、最高出力が発生する5700回転より500回転高い6200回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は14.1m/sとなっています。

参考までにストロークが68.2mmの112M26型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね4.55m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)8800回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


112M26型のエンジンを搭載する車種の例

全10件のうち、アクセスが多いものから順に上位10車種までを表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ベンツ
211061
Eクラス
E240 W211
(2004/08)
177ps
24.5kgm
8.7kmL
NA [FR/5AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
203061
Cクラス
C240 W203
(2004/06)
170ps
24.5kgm
9.4kmL
NA [FR/5AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
209361
CLKクラス
CLK240 C209
(2004/08)
170ps
24.5kgm
9.3kmL
NA [FR/5AT]
クーペ
4人乗り
ベンツ
210062
Eクラス
E240 W210
(2001/01)
170ps
24.5kgm
8.8kmL
NA [FR/5AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
210262
Eクラス ステーションワゴン
E240 Station-Wagon S210
(2002/10)
170ps
24.5kgm
8.9kmL
NA [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
211261
Eクラス ステーションワゴン
E240 S211
(2004/07)
177ps
24.5kgm
8.7kmL
NA [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
203281
Cクラス ステーションワゴン
C240 4Matic SW S203
(2004/06)
170ps
24.5kgm
8.7kmL
NA [4WD/5AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
203081
Cクラス
C240 4Matic W203
(2004/06)
170ps
24.5kgm
8.7kmL
NA [4WD/5AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
203261
Cクラス ステーションワゴン
C240 SW S203
(2004/06)
170ps
24.5kgm
8.9kmL
NA [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
202088
Cクラス ステーションワゴン
C240 Station-Wagon S202
(2001/01)
170ps
24.5kgm
10.0kmL
NA [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
[投稿日:2016/11/02]

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