ベンツ 111M20型エンジンの諸元と性能まとめ [直列4気筒1998cc]

ここではベンツの203045型2代目Cクラス [C200 Kompressor W203] に搭載されている111M20型のスーパーチャージャーエンジンのデータを参考に、このエンジンが持つ特性や素性について調べてみます。

111M20型のスーパーチャージャーエンジン諸元


203045型 Cクラス 主要諸元まとめ
車両型式GF-203045
車名&グレードCクラス
[C200 Kompressor W203]
エンジン型式111M20
種類直列4気筒
排気量1998cc
内径×行程89.9mm×78.7mm
単気筒容積499.5cc
ボアストローク比0.88
圧縮比9.5
燃焼室容積58.8cc
吸気方式スーパーチャージャー
使用燃料ハイオクガソリン
最高出力163PS/5300rpm
最大トルク23.5kgm/2500-4800rpm

まず基本的な成り立ちとして、111M20型エンジンはボア(内径)89.9mm、ストローク(行程)78.7mm、ボアストローク比0.88のショートストローク型エンジン(ストローク量よりもピストン径のほうが大きい)です。

排気量と気筒数が同一の場合、ロングストローク型に比べて低回転域でのトルク特性に劣り、扱いにくいエンジンとされるものの、高回転域では充填効率の向上や摺動抵抗の増大も(ロングストローク型に比べれば)軽微なことから出力の向上が見込まれます。

また同じ回転数でも平均ピストンスピードが抑えられることから、その分だけエンジンへの負荷は低減される傾向にあります。

1気筒あたりのシリンダー容積と圧縮比を使って燃焼室容積を計算してみますと、今回の111M20型エンジンの場合の計算式は499.5cc÷(9.5-1)となり、燃焼室容積は58.8ccになります。

このサイトにて登録されている車種のうち、111M20型のスーパーチャージャーエンジンを搭載する最も古い車種は1996/12から発売された初代Cクラス ステーションワゴン [2001/01]、最も新しい車種は2001/06から発売された2代目Cクラス スポーツクーペ [2001/06]となっており、全部で7車種(NA車2台・ターボ車5台)が登録されています。

過渡特性とリッター換算馬力から見た評価

エンジン性能曲線のイメージ
111M20のエンジン性能曲線図もどき
馬力の変遷82.0PS → 163PS
トルクの変遷23.5kgm → 22.0kgm
リッター馬力81.6PS/L
リッタートルク11.76kgm/L

今回の参考車両であるCクラスの直列4気筒1998cc、圧縮比9.5でハイオクガソリン仕様のスーパーチャージャーエンジンは、5300回転のとき最高出力163馬力を、2500-4800回転のとき最大トルク23.5kgmを発生させます。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力を知ることができますので計算してみますと、最大トルクが発生する2500回転での馬力は82.0PS、最高出力が発生する5300回転でのトルクは22.0kgmになります。

排気量1リットルあたりの馬力は81.6PS/L、トルクは11.76kgm/Lとなり、1気筒(単気筒容積499.5cc)あたりの出力は40.8PS、5.9kgmです。

排気量1リットルあたりの馬力が81.6PS/L、トルクが11.76kgm/Lである111M20型のスーパーチャージャーエンジンを、このサイトで登録している全てのターボ車から集計した偏差値ベースの10段階評価に当てはめると、評価は換算馬力が[ 4 ]、換算トルクが[ 3 ]の「やや控えめな出力のエンジン」にカテゴライズされます。


排気量アップと圧縮比の上昇、ボアストローク比の変化

ノーマルの排気量と圧縮比
BoreStroke排気量圧縮比B/S比
89.9mm78.7mm1998cc9.50.88
ボアアップによる排気量アップ
90.4mm78.7mm2020cc9.590.87
90.9mm2043cc9.690.87
91.4mm2065cc9.780.86
91.9mm2088cc9.880.86
92.4mm2111cc9.980.85
92.9mm2134cc10.060.85

エンジンの排気量を決める要素には気筒数、ボア径、ストローク量の3つがあり、これらを増減することでさまざまな排気量のエンジンが生まれます。

ここでは実際に可能かどうかは別として、ピストン径を純正の89.9mmから0.5mm刻みで+3.0mmまで拡大(89.9mm→92.9mm)した場合の排気量と、燃焼室容積が変化しないと仮定した場合の圧縮比の変化を一覧表にしています。

圧縮比については、実際のところピストンが大径化するに伴ってピストン天面の凸凹容量も変化する場合が大半ですから、一覧表にある圧縮比の数値の通りにはなりませんが、排気量を大きくすると自ずと圧縮比も上昇しますよ、という雰囲気をご堪能ください。

B/S比はボアストローク比の略で、ボア径を広げていくと0.88からさらに値は小さくなり、ショートストローク型の恩恵と弊害が顕著になっていきます。111M20型エンジンの場合、純正ピストンから+3.0mmのボアアップをすると比は0.88から0.85に変化するという具合です。


平均ピストンスピード

ストローク最大トルク
2500rpm
最高出力
5300rpm
78.7mm6.6m/s13.9m/s
回転数/分秒速時速
2000rpm5.2m/s18.7km/h
4000rpm10.5m/s37.8km/h
6000rpm15.7m/s56.5km/h
8000rpm21.0m/s75.6km/h
10000rpm26.2m/s94.3km/h

続きまして平均ピストンスピードについて見てみます。ストロークが78.7mmのエンジンが最高出力を発生する5300回転での平均ピストンスピードは13.9m/sとなり、これは1秒間に13.9メートル(時速にすると50.0km/h)の距離を進む速さでピストンが上下運動していますよ、という意味です。

最大トルクを発生する2500回転では6.6m/s、最高出力が発生する5300回転より500回転高い5800回転をレブリミットと仮定したときの平均速度は15.2m/sとなっています。

参考までにストロークが78.7mmの111M20型エンジンを10000回転/毎分まで回したときのピストンスピードの変化を計算してみました。これを見ると回転数が2000回転高くなるごとに概ね5.25m/sずつ速度が増していくようです。

大量生産を前提とした一般的なエンジンの目安である20.0m/sのみを基準として考えると、高回転化の上限を(回るか回らないかは別として)7620回転くらいにするのが機械的にも精神的にも好ましそうです。


111M20型のエンジンを搭載する車種の例

全7件をアクセスが多いものから順に表示しています。
メーカー
車両型式
イメージ車名&グレード
記事リンク
出力
燃費
吸気 [駆動系]
車体形状 定員
ベンツ
203045
Cクラス
C200 Kompressor W203
(2001/07)
163ps
23.5kgm
9.9kmL
SC [FR/5AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
203245
Cクラス ステーションワゴン
C180-Kompressor SW S203
(2001/06)
163ps
23.5kgm
8.5kmL
SC [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
203035
Cクラス
C180 W203
(2001/10)
129ps
19.4kgm
10.2kmL
NA [FR/5AT]
セダン
5人乗り
ベンツ
203745
Cクラス スポーツクーペ
C200 Kompressor Sport-Line CL203
(2001/06)
163ps
23.5kgm
9.9kmL
SC [FR/5AT]
クーペ
4人乗り
ベンツ
208344
CLKクラス
CLK200-Kompressor C208
(2001/01)
163ps
23.4kgm
9.4kmL
SC [FR/5AT]
クーペ
4人乗り
ベンツ
202087
Cクラス ステーションワゴン
C200-Kompressor SW S202
(2001/01)
163ps
23.4kgm
10.1kmL
SC [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
ベンツ
203235
Cクラス ステーションワゴン
C180 SW S203
(2001/06)
129ps
19.4kgm
8.8kmL
NA [FR/5AT]
ワゴン
5人乗り
[投稿日:2016/11/02]

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