ダイハツ オプティの性能まとめ [L310S型|0.66L/55PS|PT4WD/5MT|1997年] Club-Sport


 画像はダイハツ工業より引用
 http://www.daihatsu.co.jp/

ダイハツ工業の3ドア・4人乗り軽ハッチバック、L310S型の初代オプティは1992/01から生産が開始され、1998/11に生産(または販売)を終えました。ここでは1997/08モデルにある[Club-Sport]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長3295mm×全幅1395mm×全高1430mm、排気量は659ccであることから、大雑把に分類すると軽自動車クラス(軽四輪、軽自動車税を適用)に属した車です。走行性能や衝突安全性は普通車に敵わないものの、その圧倒的な経済性は他の追随を許しません。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3295mmであるこの車の場合は「ミニ」(Mini 3500mm以下 Aセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

L310S型 オプティ [659cc/55PS PT4WD/5MT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代オプティの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
0.66L-NA
FF/4AT
96.9万円
L300S型
[Club-Sport]
(1997/08)
55PS
6.2kgm
19.2km/L
0.66L-NA
FF/5MT
88.9万円
L300S型
[Club-Sport]
(1997/08)
55PS
6.2kgm
24.0km/L
0.66L-NA
4WD/3AT
107.8万円
L310S型
[Club-Sport]
(1997/08)
55PS
6.2kgm
16.0km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー DAIHATSU
車名&
グレード
オプティ
Club-Sport
その他 クラブスポルト, パルコ クラシック, ピコ リミテッド, Ax
お値段 1011000円
車両型式 E-L310S
駆動&
変速機
パートタイム4WD(AWD,四輪駆動)&
5MT(5速MT,5段MT,5速マニュアル)
ドア数&
定員
3ドア
4人
車体寸法 長3295×幅1395×高1430mm
室内寸法 長1650×幅1175×高1150mm
軸距&
輪距
2280mm
前1220mm/後1205mm
最小半径 4.6m
タイヤ 前145/80R12 後145/80R12
ブレーキ 前ディスク
後ドラム
車両重量 710kg
エンジン諸元
原動機型式 EF-ZL
気筒配列 直列3気筒
排気量 659cc
圧縮比 10.0
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 55PS(40kW 54HP)/7500rpm
最大トルク 6.2kgm(61Nm)/4000rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 18.4km/L (43.3mpg)
100km燃費 5.4L/100km
※直列3気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に3個配置する方式。小排気量のスタンダード。
EF-ZL型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列3気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される軽自動車税(12900円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(4400円/年)と自賠責保険料(13185円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額4000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1997/08モデルのオプティを22年落ちの中古で11.1万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    オプティの1997/08モデルの場合、2019年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の10%である10.1万円に諸経費として1万円を足した11.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

1997年式を22年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 軽自動車 13年経過で増税 12900円
自動車重量税(1年分) 軽自動車 18年経過で増税 4400
自賠責保険料(1年分) 軽自動車 13185円
燃料代(年間1万km) 10000km÷14.7km/L×150円/L 102040円
オイル交換(5000km毎) 1回3000円×2回 6000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本4000円×4本÷3年 5330円
任意保険料(月額4000円) 月額4000円×12ヶ月 48000円
ローン完済後の年間維持費 191855円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額9260円×12ヶ月 111120円
ローン返済中の年間維持費 302975円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 38170円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額38,170円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して15,988円(完済前は25,248円)になります。「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。

オプティの中古車をGoo-netで検索!

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km80円1800円2.1万円
20km160円3500円4.2万円
30km240円5300円6.2万円
50km410円9000円10.7万円
100km820円18000円21.3万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を18.4km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは8.15円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は80円/日となり、20km走行なら160円/日、30km走行なら240円/日、50km走行なら410円/日、100km走行なら820円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は1800円/月、20kmなら440kmで3500円/月、30kmなら660kmで5300円/月、50kmなら1100kmで9000円/月、100kmなら2200kmで18000円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は2.1万円/年、20kmなら5200kmで4.2万円/年、30kmなら7800kmで6.2万円/年、50kmなら13000kmで10.7万円/年、100kmなら26000kmで21.3万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
自然吸気の軽自動車ダイハツ編(軽)


カタログスペックから見えてくる要素

EF-ZL型エンジン簡易性能曲線図
EF-ZL型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 35PS
7500回転時の馬力 55PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 6.2kgm
7500回転時のトルク 5.3kgm
EF-ZL型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているEF型659cc、直列3気筒の自然吸気エンジンは7500回転時に最高出力55馬力を、4000回転時に最大トルク6.2kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する7500rpmまで」の3500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は46.7%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ12.91kg/PS(710kg/55PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ12.91kg/PS
車体+1人13.91kg/PS
車体+4人16.91kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg14.00kg/PS
車体+70kg14.18kg/PS
車体+80kg14.36kg/PS
車体+90kg14.55kg/PS
車体+100kg14.73kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは13.91kg/PS(765kg/55PS)となり、数値としては1.00kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは16.91kg/PS(930kg/55PS)となり、4.00kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.88
平均ピストンスピード 15.1m/s
トルクウェイトレシオ 114.5kg/kgm
1馬力あたりのお値段 18382円
排気量1Lあたり馬力 83.5PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.41kgm/L
1気筒あたりの馬力 18.3PS
1気筒あたりのトルク 2.1kgm
パワーバンド比率 46.7%
各種ランキング
軽自動車のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは114.5kg/kgm(710kg/6.2kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1011000円、最高出力が55馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は18382円、逆に1万円あたりでは0.54馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は163065円、1万円あたりでは0.06kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は83.5PS/L、トルクは9.41kgm/L、1気筒あたりの馬力は18.3馬力、トルクは2.1kgmとなり、このエンジンが55馬力を7500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.1m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が60.5mmであるEF型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は9920回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.88になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、オプティの車両重量710kgに1人ぶんの体重55kgを加えた765kgと、4名フル乗車時の930kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
765kg
4名乗車
930kg
40km/h47kJ57kJ+10kJ
60km/h106kJ129kJ+23kJ
80km/h189kJ230kJ+41kJ
100km/h295kJ359kJ+64kJ
120km/h425kJ517kJ+92kJ
140km/h578kJ703kJ+125kJ
180km/h956kJ1163kJ+207kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは47kJ、4名乗車では57kJとなり、その差は10kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも189kJ、4名乗車では41kJ増加して230kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で956kJ、4名乗車では207kJ増加して1163kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを295000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量295kJ
速度
100キロ
[kJ]
500kg124km/h193kJ-102kJ
765kg100km/h295kJ
1000kg87km/h386kJ+91kJ
1500kg71km/h579kJ+284kJ
2000kg62km/h772kJ+477kJ
2500kg55km/h965kJ+670kJ
3000kg50km/h1157kJ+862kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの765kgを基準として、500kg、1000kg、1500kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が500kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が124km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が50km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 2.2m³
1人あたりのスペース 約0.6m³
室内長/全長 50.1%
室内幅/全幅 84.2%
室内高/全高 80.4%
室内容積/車両体積 33.3%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は2.2m³です。この車の乗車定員は4人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.6m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は50.1%、同じく室内幅と全幅の比率は84.2%、同じく室内高と全高の比率は80.4%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は33.3%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.15m
期待される荷室の幅 1.07m
対角線の長さ 1.57m
期待される荷室の面積 1.23m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.15m(対角線では1.57m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

軽自動車の場合、1BOXタイプ以外のものでは計算するまでもなく絶対的な長さが足りていません。前席を後に倒してフルフラット化できるとか、助手席だけでも前に倒せるなら後のスペースと連結して長さを確保できますが、そうでない場合は腰を痛める覚悟で車中泊に臨むことになります。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 18.4km/L
燃料タンク容量 30L
航続距離(カタログ燃費) 552.0km
航続距離(80%燃費) 441.0km
満タンプライス 4500円
1万円でどこまで行ける? 1226.7km
車両価格/航続距離 1832円/km

10・15モード燃費が18.4km/Lですので、燃料タンクの容量が30リットルですと航続可能距離は552.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(16.6km/L)とすると498.0km、80%(14.7km/L)だと441.0km、70%(12.9km/L)では387.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン30リットルの給油で4500円、上で計算した航続距離を踏まえると552.0km(80%燃費時441.0km)を走行するのに4500円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1226.7km(往復なら片道613.3km)、カタログ値の80%なら981.3km(片道490.7km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で552.0kmの距離を移動できるL310S型 オプティ [Club-Sport]という乗り物を、101.1万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「1832円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合7500rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした8000回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 8000rpm|タイヤサイズ 145/80R12|タイヤ直径 53.7cm|円周長 168.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
8000rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 3.500 20.68 39.2kmh 20430rpm 477.6kgm
2速 2.111 12.47 0.603 1-2/4820rpm 64.9kmh 12320rpm 288.0kgm
3速 1.392 8.225 0.659 2-3/5270rpm 98.4kmh 8130rpm 189.9kgm
4速 0.971 5.738 0.698 3-4/5580rpm 141.1kmh 5670rpm 132.5kgm
5速 0.794 4.692 0.818 4-5/6540rpm 172.6kmh 4640rpm 108.3kgm
Final 5.909 レシオカバレッジ(変速比幅)4.408
ギヤの繋がりイメージ
L310S型オプティ5MT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数4000rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.909)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(6.2kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(5.909)÷タイヤの有効半径(0.2685m)で算出。
  • 副変速機のギヤ比が不明のものはHi側に1.000を代入しているので、実際の回転数とは大きく異なる場合があります。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は5速ギヤの172.6km(7500rpmでは161.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:7500rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

7500rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ37km/h
2速ギヤ61km/h4520rpm
3速ギヤ92km/h4940rpm
4速ギヤ132km/h5240rpm
5速ギヤ162km/h6140rpm

L310S型オプティに搭載されたEF型659ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する7500rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで7500rpmまで引っ張ると37km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は7500rpmから4520rpmまで落ち、そこから7500rpmまで加速を続けると速度は61km/h(+24km/h)になります。

3速ギヤでは4940rpmまで落ちて7500rpmで92km/h(+31km/h)に、4速ギヤでは5240rpmまで落ちて7500rpmで132km/h(+40km/h)に、5速ギヤでは6140rpmまで落ちて7500rpmで162km/h(+30km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが4000回転で最大トルク6.2kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば114.5kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(12.91kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと477.6kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(710kg)を1速ギヤの最大駆動力(477.6kgm)で割ってみると1.49kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する7500回転でのトルク(5.3kgm)からTWRを算出すると1.74kg/kgmとなり、4000-7500回転の回転域では1.49-1.74kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 8170 12260 16350 20430 24520 28610 36780
2速 4930 7390 9860 12320 14790 17250 22180
3速 3250 4880 6500 8130 9750 11380 14630
4速 2270 3400 4530 5670 6800 7940 10200
5速 1850 2780 3710 4640 5560 6490 8340
※赤い数字は暫定レブリミット(8000rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.794)を選択して時速100kmにて走行すると4640回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは2780回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは3240回転、一般的な高速道路の80km/hでは3710回転、100km/hでは4640回転、制限速度が120km/hになると5560回転、軽自動車の速度リミッターが働く140km/hでは6490回転になります。仮にリミッター解除で180km/hまで出たとすると8340回転まで回ります。

時速100kmでの巡航回転数が4000回転を超えてくるような車は、これはもう加速しか眼中にない純然たる競技車両であるとか、「とにもかくにもパワーがなくて高いギヤ比なんてとんでもない!」という貧相極まるエンジンを搭載しているとか、「時速60km出れば問題ない、だってバンだもの!」などという潔い割り切りをしている車以外にありえません。ここまで来ると「壊れるものなら壊れてみろ!」とエンジンに挑むくらいの覚悟がなければ愛せません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 5 10 15 20 24 29 34 39
2速 8 16 24 32 41 49 57 65
3速 12 25 37 49 62 74 86 98
4速 18 35 53 71 88 106 123 141
5速 22 43 65 86 108 129 151 173

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(8000回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの145/80R12と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 145/80R12 | 直径 537mm

-20mm
幅125mm
-10mm
幅135mm
変更なし
幅145mm
+10mm
幅155mm
+20mm
幅165mm
-5%
75
扁平
125/75R12
36.7km/h
直径493mm
径差-44mm
135/75R12
37.8km/h
直径508mm
径差-29mm
145/75R12
39.0km/h
直径523mm
径差-14mm
155/75R12
40.1km/h
直径538mm
径差+1mm
165/75R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
0%
80
扁平
125/80R12
37.6km/h
直径505mm
径差-32mm
135/80R12
38.8km/h
直径521mm
径差-16mm
145/80R12
40.0km/h
537mm
0mm
155/80R12
41.2km/h
直径553mm
径差+16mm
165/80R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
+5%
85
扁平
125/85R12
38.6km/h
直径518mm
径差-19mm
135/85R12
39.9km/h
直径535mm
径差-2mm
145/85R12
41.1km/h
直径552mm
径差+15mm
155/85R12
42.4km/h
直径569mm
径差+32mm
165/85R12
43.6km/h
直径586mm
径差+49mm
+10%
90
扁平
125/90R12
39.5km/h
直径530mm
径差-7mm
135/90R12
40.8km/h
直径548mm
径差+11mm
145/90R12
42.2km/h
直径566mm
径差+29mm
155/90R12
43.5km/h
直径584mm
径差+47mm
165/90R12
44.8km/h
直径602mm
径差+65mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、125/85R12 、135/80R12、135/85R12 、145/75R12 あたりのタイヤがおすすめです。

145/80R12のタイヤ幅を125mmから175mmまで、扁平率を65%から95%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、145/80R12の適応サイズと性能の変化 [L310S型オプティ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


L310S型オプティ[0.66L-NA PT4WD/5MT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト12.91kg/ps40.30
1速ギヤ加速性能1.49kg/kgm52.27
1L換算馬力83.5ps/L58.30
1L換算トルク9.41kgm/L48.73
WB/TR比1.8838.75
ワイド&ロー指数1.02539.37
前面の面積1.995m²66.51
最低地上高43.35
スポーツ性能部門の得点387.58

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費18.4km/L61.90
年間維持費191855円62.89
100kmh回転数4640rpm20.09
航続距離552.0km40.65
車の大きさ6.573m³30.14
室内の広さ2.230m³38.15
最小回転半径4.6m62.13
馬力単価18382円53.10
ユーティリティ部門の得点369.05

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した L310S型オプティ[0.66L-NA PT4WD/5MT] の総合得点は 756.63 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したL310S型オプティ(PT4WD/5MT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのハッチバック」、「軽自動車のハッチバック」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2011/08/31|更新日:2018/02/09


コメントは停止中です。