シボレー MWの性能まとめ [ME34S型|1.4L/88PS|4WD/4AT|2009年] G-Selection


 画像はシボレーより引用
 http://www.chevrolet.co.jp/

シボレーの5ドア・5人乗りミニバン、ME34S型の初代MWは2000/09から生産が開始され、2010/12に生産(または販売)を終えました。ここでは2009/09モデルにある[G-Selection]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長3575mm×全幅1620mm×全高1700mm、排気量は1328ccであることから、大雑把に分類すると1.4リットルクラス(1400cc、自動車税は1.5L以下を適用)に属した、いわゆる5ナンバークラスの車です。とにかく排気量を増やして、とにかくボディを大きく、特に全幅を広げれば良いんだという風潮が蔓延る現代においては大変貴重な車となっています。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3575mmであるこの車の場合は「スモール」(Small 3500mm超-3850mm以下 Bセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

ME34S型 MW [1328cc/88PS 4WD/4AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代MWの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
1.3L-NA
FF/4AT
107.1万円
ME34S型
[V-Selection]
(2009/09)
88PS
12.0kgm
18.0km/L
1.0L-NA
FF/4AT
129.0万円
ME64S型
[BaseGrade]
(2001/01)
70PS
9.7kgm
19.6km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー CHEVROLET
車名&
グレード
MW
G-Selection
その他 ベースグレード G V セレクション 1.3S ワゴンRプラス/ソリオのOEM
お値段 1277850円
車両型式 ABA-ME34S
駆動&
変速機
4WD(AWD,四輪駆動)&
4AT(4速AT,4段AT)
ドア数&
定員
5ドア
5人
車体寸法 長3575×幅1620×高1700mm
室内寸法 長1770×幅1385×高1300mm
軸距&
輪距
2360mm
前1405mm/後1385mm
最小半径 5.0m
最低高 155mm
タイヤ 前165/60R14 後165/60R14
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ドラム
車両重量 1010kg
エンジン諸元
原動機型式 M13A
気筒配列 直列4気筒
排気量 1328cc
圧縮比 9.5
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 88PS(65kW 87HP)/6000rpm
最大トルク 12.0kgm(118Nm)/3400rpm
使用燃料 レギュラーガソリン
10・15燃費 16.4km/L (38.6mpg)
100km燃費 6.1L/100km
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
M13A型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(34500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12300円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額5000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、2009/09モデルのMWを10年落ちの中古で42.1万円にて購入し、頭金なしで1年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    MWの2009/09モデルの場合、2019年現在では10年が経過しているため、新車価格の30%である38.3万円に諸経費として3.8万円を足した42.1万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

2009年式を10年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 1500cc以下 13年未満 34500円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 13年未満 12300
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷13.1km/L×150円/L 114500円
オイル交換(5000km毎) 1回4000円×2回 8000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本8000円×4本÷3年 10670円
任意保険料(月額5000円) 月額5000円×12ヶ月 60000円
ローン完済後の年間維持費 253890円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額35110円×12ヶ月 421320円
ローン返済中の年間維持費 675210円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 55440円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額55,440円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

車に対して少し色気を出すと月換算で2~3万円の間、年間にすると24~36万円のクラスです。この車の場合は月単位で換算すると21,158円(完済前は56,268円)になります。口癖のように「もうちょっと維持費が安ければ…」と呟くその姿は自慢げなようでありながら哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにはいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km90円2000円2.3万円
20km180円4000円4.7万円
30km270円5900円7.0万円
50km460円10100円12.0万円
100km920円20200円23.9万円

さて、レギュラーガソリン1リットルの燃料価格を150円、燃費を16.4km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは9.15円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は90円/日となり、20km走行なら180円/日、30km走行なら270円/日、50km走行なら460円/日、100km走行なら920円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は2000円/月、20kmなら440kmで4000円/月、30kmなら660kmで5900円/月、50kmなら1100kmで10100円/月、100kmなら2200kmで20200円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は2.3万円/年、20kmなら5200kmで4.7万円/年、30kmなら7800kmで7.0万円/年、50kmなら13000kmで12.0万円/年、100kmなら26000kmで23.9万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
1500cc以下の自然吸気輸入車編5人乗りミニバン限定


カタログスペックから見えてくる要素

M13A型エンジン簡易性能曲線図
M13A型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
3400回転時の馬力 57PS
6000回転時の馬力 88PS
各回転域でのトルク
3400回転時のトルク 12.0kgm
6000回転時のトルク 10.5kgm
M13A型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているM13A型1328cc、直列4気筒の自然吸気エンジンは6000回転時に最高出力88馬力を、3400回転時に最大トルク12.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する3400rpmから最高出力が発生する6000rpmまで」の2600rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は43.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ11.48kg/PS(1010kg/88PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ11.48kg/PS
車体+1人12.10kg/PS
車体+5人14.60kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg12.16kg/PS
車体+70kg12.27kg/PS
車体+80kg12.39kg/PS
車体+90kg12.50kg/PS
車体+100kg12.61kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは12.10kg/PS(1065kg/88PS)となり、数値としては0.62kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは14.60kg/PS(1285kg/88PS)となり、3.12kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.69
平均ピストンスピード 13.9m/s
トルクウェイトレシオ 84.2kg/kgm
1馬力あたりのお値段 14521円
排気量1Lあたり馬力 66.3PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.04kgm/L
1気筒あたりの馬力 22.0PS
1気筒あたりのトルク 3.0kgm
パワーバンド比率 43.3%
各種ランキング
5人乗りミニバンのP/Wレシオ
1.3~1.5L以下のP/Wレシオ

トルクウェイトレシオは84.2kg/kgm(1010kg/12.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が1277850円、最高出力が88馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は14521円、逆に1万円あたりでは0.69馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は106488円、1万円あたりでは0.09kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は66.3PS/L、トルクは9.04kgm/L、1気筒あたりの馬力は22.0馬力、トルクは3.0kgmとなり、このエンジンが88馬力を6000回転で発生させているときの平均ピストンスピードは13.9m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が69.5mmであるM13A型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は8630回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.69になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、MWの車両重量1010kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1065kgと、5名フル乗車時の1285kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1065kg
5名乗車
1285kg
40km/h66kJ79kJ+13kJ
60km/h148kJ178kJ+30kJ
80km/h263kJ317kJ+54kJ
100km/h411kJ496kJ+85kJ
120km/h592kJ714kJ+122kJ
140km/h805kJ972kJ+167kJ
180km/h1331kJ1606kJ+275kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは66kJ、5名乗車では79kJとなり、その差は13kJ、倍率にすれば1.2倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも263kJ、5名乗車では54kJ増加して317kJにもなり、重量から見れば1.2倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で1331kJ、5名乗車では275kJ増加して1606kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを411000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量411kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg133km/h231kJ-180kJ
800kg115km/h309kJ-102kJ
1065kg100km/h411kJ
1500kg84km/h579kJ+168kJ
2000kg73km/h772kJ+361kJ
2500kg65km/h965kJ+554kJ
3000kg60km/h1157kJ+746kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1065kgを基準として、600kg、800kg、1500kg、2000kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が133km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が60km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


人間様の占有スペース

人間様の占有スペース
室内長×幅×高 3.2m³
1人あたりのスペース 約0.6m³
室内長/全長 49.5%
室内幅/全幅 85.5%
室内高/全高 76.5%
室内容積/車両体積 32.7%

ボディサイズと室内寸法のデータがあるので車両全体に対する人間様の占有スペースを計算してみます。ここでの比率はボンネットが長い車であったり乗車人数の少ない車であったり、バン(貨物車)のように人よりも積載容量を重視している車は小さくなります。

まず室内長、室内幅、室内高を掛けて算出される室内の容積は3.2m³です。この車の乗車定員は5人ですから、単純に室内の容積で割るとフル乗車した際には約0.6m³のスペースが割り当てられることになります。続いて室内長を全長で割って算出される室内長と全長の比率は49.5%、同じく室内幅と全幅の比率は85.5%、同じく室内高と全高の比率は76.5%となりました。また車の形状を無視して単なる立方体として見たときの車両の体積に対する室内の容積の比率は32.7%でした。

室内の広さ・長さランキング
室内長が長い車室内幅が広い車室内高が高い車車内の空間が広い車


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.25m
期待される荷室の幅 1.28m
対角線の長さ 1.79m
期待される荷室の面積 1.60m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.25m(対角線では1.79m)しかないとなると、これはもう常識的に考えてかなり厳しい車中泊を強いられます。運転席あるいは助手席を後ろに倒して寝たほうがまだマシかもしれません。俗に言う体育座りの体勢で横になれば寝られないこともないでしょうが、寝れども寝れども疲れは取れない上に猛烈な腰痛で目を覚ましかねず、実に爽やかな笑顔で「もう二度と車中泊なんてしないよ!」と後日談を語ることになりかねません。

多くのミニバンや1BOXは室内長の寸法が大きいことから車中泊への期待が高まりますが、2列目、3列目シートの収納がイマイチの場合は車中泊の難易度がセダンよりも跳ね上がりかねません。その場合はシートを前ではなく後に倒してのフルフラットの可否が鍵を握ります。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 16.4km/L
燃料タンク容量 39L
航続距離(カタログ燃費) 639.6km
航続距離(80%燃費) 510.9km
満タンプライス 5850円
1万円でどこまで行ける? 1093.3km
車両価格/航続距離 1997円/km

10・15モード燃費が16.4km/Lですので、燃料タンクの容量が39リットルですと航続可能距離は639.6kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(14.8km/L)とすると577.2km、80%(13.1km/L)だと510.9km、70%(11.5km/L)では448.5kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、レギュラーガソリン39リットルの給油で5850円、上で計算した航続距離を踏まえると639.6km(80%燃費時510.9km)を走行するのに5850円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1093.3km(往復なら片道546.7km)、カタログ値の80%なら874.7km(片道437.3km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で640.0kmの距離を移動できるME34S型 MW [G-Selection]という乗り物を、127.8万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「1997円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合6000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6500rpm|タイヤサイズ 165/60R14|タイヤ直径 55.4cm|円周長 174.0cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.875 11.91 57.0kmh 11410rpm 516.1kgm
2速 1.568 6.498 0.545 1-2/3540rpm 104.4kmh 6220rpm 281.5kgm
3速 1.000 4.144 0.638 2-3/4150rpm 163.8kmh 3970rpm 179.5kgm
4速 0.697 2.888 0.697 3-4/4530rpm 234.9kmh 2770rpm 125.1kgm
Final 4.144 レシオカバレッジ(変速比幅)4.125
ギヤの繋がりイメージ
ME34S型MW4AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数3400rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.144)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(12.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.144)÷タイヤの有効半径(0.277m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの234.9km(6000rpmでは216.9km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ53km/h
2速ギヤ96km/h3270rpm
3速ギヤ151km/h3830rpm
4速ギヤ217km/h4180rpm

ME34S型MWに搭載されたM13A型1328ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6000rpmまで引っ張ると53km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6000rpmから3270rpmまで落ち、そこから6000rpmまで加速を続けると速度は96km/h(+43km/h)になります。

3速ギヤでは3830rpmまで落ちて6000rpmで151km/h(+55km/h)に、4速ギヤでは4180rpmまで落ちて6000rpmで217km/h(+66km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが3400回転で最大トルク12.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば84.2kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(11.48kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと516.1kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1010kg)を1速ギヤの最大駆動力(516.1kgm)で割ってみると1.96kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6000回転でのトルク(10.5kgm)からTWRを算出すると2.24kg/kgmとなり、3400-6000回転の回転域では1.96-2.24kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4560 6850 9130 11410 13690 15980 20540
2速 2490 3730 4980 6220 7470 8710 11200
3速 1590 2380 3180 3970 4760 5560 7140
4速 1110 1660 2210 2770 3320 3870 4980
※赤い数字は暫定レブリミット(6500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.697)を選択して時速100kmにて走行すると2770回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1660回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1940回転、一般的な高速道路の80km/hでは2210回転、100km/hでは2770回転、制限速度が120km/hになると3320回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4980回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 26 35 44 53 61 70
2速 16 32 48 64 80 96 112 129
3速 25 50 76 101 126 151 176 202
4速 36 72 108 145 181 217 253 289

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの165/60R14と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 165/60R14 | 直径 554mm

-20mm
幅145mm
-10mm
幅155mm
変更なし
幅165mm
+10mm
幅175mm
+20mm
幅185mm
-5%
55
扁平
145/55R14
37.3km/h
直径516mm
径差-38mm
155/55R14
38.1km/h
直径527mm
径差-27mm
165/55R14
38.8km/h
直径538mm
径差-16mm
175/55R14
39.6km/h
直径549mm
径差-5mm
185/55R14
40.4km/h
直径560mm
径差+6mm
0%
60
扁平
145/60R14
38.3km/h
直径530mm
径差-24mm
155/60R14
39.1km/h
直径542mm
径差-12mm
165/60R14
40.0km/h
554mm
0mm
175/60R14
40.9km/h
直径566mm
径差+12mm
185/60R14
41.7km/h
直径578mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
145/65R14
39.4km/h
直径545mm
径差-9mm
155/65R14
40.3km/h
直径558mm
径差+4mm
165/65R14
41.2km/h
直径571mm
径差+17mm
175/65R14
42.2km/h
直径584mm
径差+30mm
185/65R14
43.1km/h
直径597mm
径差+43mm
+10%
70
扁平
145/70R14
40.4km/h
直径559mm
径差+5mm
155/70R14
41.4km/h
直径573mm
径差+19mm
165/70R14
42.4km/h
直径587mm
径差+33mm
175/70R14
43.4km/h
直径601mm
径差+47mm
185/70R14
44.4km/h
直径615mm
径差+61mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、145/60R14、145/65R14 、155/55R14、155/60R14 、165/55R14 、175/55R14 あたりのタイヤがおすすめです。

165/60R14のタイヤ幅を145mmから195mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、165/60R14の適応サイズと性能の変化 [ME34S型MW編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


ME34S型MW[1.4L-NA 4WD/4AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト11.48kg/ps44.39
1速ギヤ加速性能1.96kg/kgm41.59
1L換算馬力66.3ps/L44.33
1L換算トルク9.04kgm/L44.05
WB/TR比1.6958.54
ワイド&ロー指数1.04937.61
前面の面積2.754m²45.23
最低地上高155mm49.13
スポーツ性能部門の得点364.87

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費16.4km/L57.53
年間維持費253890円57.11
100kmh回転数2770rpm46.63
航続距離640.0km46.00
車の大きさ9.846m³43.91
室内の広さ3.187m³48.25
最小回転半径5.0m53.62
馬力単価14521円58.37
ユーティリティ部門の得点411.42

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した ME34S型MW[1.4L-NA 4WD/4AT] の総合得点は 776.29 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したME34S型MW(4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのトールワゴン」、「1500ccのトールワゴン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2016/04/18|更新日:2018/02/09


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