BMW X3の性能まとめ [WY20型|2.0L/184PS|4WD/8AT|2012年] xDrive-20d Blue-Performance F25


 画像はBMWより引用
 http://www.bmw.co.jp/

BMWの5ドア・5人乗りSUV、WY20型の2代目X3は2011/03から生産(または販売)が開始されました。ここでは2012/09モデルにある[xDrive-20d Blue-Performance F25]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4650mm×全幅1880mm×全高1675mm、排気量は1995ccであることから、大雑把に分類すると2.0リットルクラス(2000cc、自動車税は2.0L以下を適用)に属し、全長、全高、排気量は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超えていることにより3ナンバー登録になります。この手のタイプはいわゆる世界戦略車(グローバルカー)に多くあるようです。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4650mmであるこの車の場合は「ミディアム」(Medium 4300mm超-4650mm以下 Dセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

WY20型 X3 [1995cc/184PS 4WD/8AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

2代目X3の類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
3.0L-NA
4WD/8AT
598.0万円
WX30型
[xDrive-28i F25]
(2011/03)
258PS
31.6kgm
10.0km/L
3.0L-TB
4WD/8AT
694.0万円
WX35型
[xDrive-35i F25]
(2011/03)
306PS
40.8kgm
11.0km/L
2.0L-TB
4WD/8AT
599.0万円
WX20型
[xDrive-28i F25]
(2012/05)
245PS
35.7kgm
13.6km/L
2.0L-TB
4WD/8AT
541.0万円
WX20型
[xDrive-20i F25]
(2012/03)
184PS
27.5kgm
13.2km/L

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー BMW
車名&
グレード
X3
xDrive-20d Blue-Performance F25
その他 ブルーパフォーマンス アイドリングストップ クリーンディーゼル
お値段 5640000円
車両型式 LDA-WY20
駆動&
変速機
4WD(AWD,四輪駆動)&
8AT(8速AT,8段AT)
ドア数&
定員
5ドア
5人
車体寸法 長4650×幅1880×高1675mm
軸距&
輪距
2810mm
前1615mm/後1630mm
最小半径 5.7m
最低高 210mm
タイヤ 前225/60R17 後225/60R17
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 1840kg
エンジン諸元
原動機型式 N47D20C
気筒配列 直列4気筒
排気量 1995cc
圧縮比 16.5
吸気方式 ターボ
最高出力 184PS(135kW 181HP)/4000rpm
最大トルク 38.7kgm(380Nm)/1750-2750rpm
使用燃料 軽油(ディーゼル燃料)
JC08燃費 18.6km/L (43.8mpg)
100km燃費 5.4L/100km
※直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
N47D20C型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(39500円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(16400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額5500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、X3の新車を648.6万円(諸費用として84.6万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2000cc以下 11年未満 39500円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷18.6km/L×130円/L 69890円
オイル交換(5000km毎) 1回5500円×2回 11000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本15000円×4本÷3年 20000円
任意保険料(月額5500円) 月額5500円×12ヶ月 66000円
ローン完済後の年間維持費 236710円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額108100円×12ヶ月 1297200円
ローン返済中の年間維持費 1533910円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 63640円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額63,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

今にも壊れそうな格安車から少しステップアップすると月換算で1~2万円の間、年間にすると12~24万円のクラスです。この車の場合、月単位に換算して19,726円(完済前は127,826円)になります。「廉価車にしか乗れなかった自分が、ついにこれだけの維持費が掛かる車を所有できるようになったのだ、新しい自分になれたのだ。あの頃のアタシ、サヨナラ…」とかいう謎のカタルシスに浸れるのがこのクラスです。普通に使う分には何ら問題のないバランスの取れたクラスではないかと思います。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km70円1500円1.8万円
20km140円3100円3.6万円
30km210円4600円5.5万円
50km350円7700円9.1万円
100km700円15400円18.2万円

さて、軽油(ディーゼル燃料)1リットルの燃料価格を130円、燃費を18.6km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは6.99円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は70円/日となり、20km走行なら140円/日、30km走行なら210円/日、50km走行なら350円/日、100km走行なら700円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は1500円/月、20kmなら440kmで3100円/月、30kmなら660kmで4600円/月、50kmなら1100kmで7700円/月、100kmなら2200kmで15400円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は1.8万円/年、20kmなら5200kmで3.6万円/年、30kmなら7800kmで5.5万円/年、50kmなら13000kmで9.1万円/年、100kmなら26000kmで18.2万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車2000cc以下のターボ/SC輸入車編SUV・RV・クロカン限定


カタログスペックから見えてくる要素

N47D20C型エンジン簡易性能曲線図
N47D20C型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1750回転時の馬力 95PS
2750回転時の馬力 149PS
4000回転時の馬力 184PS
各回転域でのトルク
1750回転時のトルク 38.7kgm
2750回転時のトルク 38.7kgm
4000回転時のトルク 33.0kgm
N47D20C型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているN47D20型1995cc、直列4気筒のターボエンジンは4000回転時に最高出力184馬力を、1750-2750回転時に最大トルク38.7kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1750rpmから最高出力が発生する4000rpmまで」の2250rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は56.2%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ10.00kg/PS(1840kg/184PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ10.00kg/PS
車体+1人10.30kg/PS
車体+5人11.49kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg10.33kg/PS
車体+70kg10.38kg/PS
車体+80kg10.43kg/PS
車体+90kg10.49kg/PS
車体+100kg10.54kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは10.30kg/PS(1895kg/184PS)となり、数値としては0.30kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは11.49kg/PS(2115kg/184PS)となり、1.49kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.73
トルクウェイトレシオ 47.5kg/kgm
1馬力あたりのお値段 30652円
排気量1Lあたり馬力 92.2PS/L
排気量1Lあたりトルク 19.40kgm/L
1気筒あたりの馬力 46.0PS
1気筒あたりのトルク 9.7kgm
パワーバンド比率 56.2%
各種ランキング
SUV、RV、クロカンのP/Wレシオ
1.8~2.0L以下のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは47.5kg/kgm(1840kg/38.7kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が5640000円、最高出力が184馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は30652円、逆に1万円あたりでは0.33馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は145736円、1万円あたりでは0.07kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は92.2PS/L、トルクは19.40kgm/L、1気筒あたりの馬力は46.0馬力、トルクは9.7kgmとなります。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.73になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、X3の車両重量1840kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1895kgと、5名フル乗車時の2115kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1895kg
5名乗車
2115kg
40km/h117kJ131kJ+14kJ
60km/h263kJ294kJ+31kJ
80km/h468kJ522kJ+54kJ
100km/h731kJ816kJ+85kJ
120km/h1053kJ1175kJ+122kJ
140km/h1433kJ1599kJ+166kJ
180km/h2369kJ2644kJ+275kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは117kJ、5名乗車では131kJとなり、その差は14kJ、倍率にすれば1.1倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも468kJ、5名乗車では54kJ増加して522kJにもなり、重量から見れば1.1倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で2369kJ、5名乗車では275kJ増加して2644kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを731000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量731kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg178km/h231kJ-500kJ
800kg154km/h309kJ-422kJ
1000kg138km/h386kJ-345kJ
1500kg112km/h579kJ-152kJ
1895kg100km/h731kJ
2500kg87km/h965kJ+234kJ
3000kg79km/h1157kJ+426kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1895kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、1500kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が178km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が79km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.63m
期待される荷室の幅 1.48m
対角線の長さ 2.20m
期待される荷室の面積 2.41m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.63m(対角線では2.20m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

一見すると車中泊が可能そうに見えるハッチバックやワゴン、SUVであってもリアシートが前に倒れなかったり、倒れても中途半端であったり、凝った足回りのせいで室内に巨大な出っ張りがあったりで、なかなか思うようにはいきませんが、大抵のケースでは知恵と工夫で何とかなるはずです。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 18.6km/L
燃料タンク容量 67L
航続距離(カタログ燃費) 1246.2km
航続距離(80%燃費) 998.3km
満タンプライス 8710円
1万円でどこまで行ける? 1430.8km
車両価格/航続距離 4526円/km

JC08モード燃費が18.6km/Lですので、燃料タンクの容量が67リットルですと航続可能距離は1246.2kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(16.7km/L)とすると1118.9km、80%(14.9km/L)だと998.3km、70%(13.0km/L)では871.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、軽油(ディーゼル燃料)67リットルの給油で8710円、上で計算した航続距離を踏まえると1246.2km(80%燃費時998.3km)を走行するのに8710円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば1430.8km(往復なら片道715.4km)、カタログ値の80%なら1144.6km(片道572.3km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で1246.2kmの距離を移動できるWY20型 X3 [xDrive-20d Blue-Performance F25]という乗り物を、564.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「4526円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合4000rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした4500回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 4500rpm|タイヤサイズ 225/60R17|タイヤ直径 70.2cm|円周長 220.5cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
4500rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 14.51 41.0kmh 10960rpm 1599.3kgm
2速 3.143 9.671 0.667 1-2/3000rpm 61.6kmh 7310rpm 1066.3kgm
3速 2.106 6.480 0.670 2-3/3020rpm 91.9kmh 4900rpm 714.5kgm
4速 1.667 5.129 0.792 3-4/3560rpm 116.1kmh 3880rpm 565.5kgm
5速 1.285 3.954 0.771 4-5/3470rpm 150.6kmh 2990rpm 435.9kgm
6速 1.000 3.077 0.778 5-6/3500rpm 193.5kmh 2330rpm 339.3kgm
7速 0.839 2.582 0.839 6-7/3780rpm 230.6kmh 1950rpm 284.6kgm
8速 0.667 2.052 0.795 7-8/3580rpm 290.1kmh 1550rpm 226.3kgm
Final 3.077 レシオカバレッジ(変速比幅)7.067
ギヤの繋がりイメージ
WY20型X38AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1750-2750rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(38.7kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(3.077)÷タイヤの有効半径(0.351m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの290.1km(4000rpmでは257.8km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:4000rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

4000rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ36km/h
2速ギヤ55km/h2670rpm
3速ギヤ82km/h2680rpm
4速ギヤ103km/h3170rpm
5速ギヤ134km/h3080rpm
6速ギヤ172km/h3110rpm
7速ギヤ205km/h3360rpm
8速ギヤ258km/h3180rpm

WY20型X3に搭載されたN47D20型1995ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する4000rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで4000rpmまで引っ張ると36km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は4000rpmから2670rpmまで落ち、そこから4000rpmまで加速を続けると速度は55km/h(+19km/h)になります。

3速ギヤでは2680rpmまで落ちて4000rpmで82km/h(+27km/h)に、4速ギヤでは3170rpmまで落ちて4000rpmで103km/h(+21km/h)に、5速ギヤでは3080rpmまで落ちて4000rpmで134km/h(+31km/h)になります。

続いて6速ギヤでは3110rpmまで落ちて4000rpmで172km/h(+38km/h)に、7速ギヤでは3360rpmまで落ちて4000rpmで205km/h(+33km/h)に、8速ギヤでは3180rpmまで落ちて4000rpmで258km/h(+53km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1750-2750回転で最大トルク38.7kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば47.5kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(10.00kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1599.3kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1840kg)を1速ギヤの最大駆動力(1599.3kgm)で割ってみると1.15kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する4000回転でのトルク(33.0kgm)からTWRを算出すると1.35kg/kgmとなり、1750-4000回転の回転域では1.15-1.35kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4390 6580 8770 10960 13160 15350 19730
2速 2920 4390 5850 7310 8770 10230 13160
3速 1960 2940 3920 4900 5880 6860 8820
4速 1550 2330 3100 3880 4650 5430 6980
5速 1200 1790 2390 2990 3590 4180 5380
6速 930 1400 1860 2330 2790 3260 4190
7速 780 1170 1560 1950 2340 2730 3510
8速 620 930 1240 1550 1860 2170 2790
※赤い数字は暫定レブリミット(4500rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.667)を選択して時速100kmにて走行すると1550回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは930回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1090回転、一般的な高速道路の80km/hでは1240回転、100km/hでは1550回転、制限速度が120km/hになると1860回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2790回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 18 27 36 46 55 64 73
2速 14 27 41 55 68 82 96 109
3速 20 41 61 82 102 122 143 163
4速 26 52 77 103 129 155 181 206
5速 33 67 100 134 167 201 234 268
6速 43 86 129 172 215 258 301 344
7速 51 102 154 205 256 307 359 410
8速 64 129 193 258 322 387 451 516

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(4500回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの225/60R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/60R17 | 直径 702mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
55
扁平
205/55R17
37.5km/h
直径658mm
径差-44mm
215/55R17
38.1km/h
直径669mm
径差-33mm
225/55R17
38.7km/h
直径680mm
径差-22mm
235/55R17
39.4km/h
直径691mm
径差-11mm
245/55R17
40.0km/h
直径702mm
径差0mm
0%
60
扁平
205/60R17
38.6km/h
直径678mm
径差-24mm
215/60R17
39.3km/h
直径690mm
径差-12mm
225/60R17
40.0km/h
702mm
0mm
235/60R17
40.7km/h
直径714mm
径差+12mm
245/60R17
41.4km/h
直径726mm
径差+24mm
+5%
65
扁平
205/65R17
39.8km/h
直径699mm
径差-3mm
215/65R17
40.6km/h
直径712mm
径差+10mm
225/65R17
41.3km/h
直径725mm
径差+23mm
235/65R17
42.1km/h
直径738mm
径差+36mm
245/65R17
42.8km/h
直径751mm
径差+49mm
+10%
70
扁平
205/70R17
41.0km/h
直径719mm
径差+17mm
215/70R17
41.8km/h
直径733mm
径差+31mm
225/70R17
42.6km/h
直径747mm
径差+45mm
235/70R17
43.4km/h
直径761mm
径差+59mm
245/70R17
44.2km/h
直径775mm
径差+73mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/60R17、205/65R17 、215/55R17、215/60R17 、225/55R17 、235/55R17 、245/55R17あたりのタイヤがおすすめです。

225/60R17のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を45%から75%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/60R17の適応サイズと性能の変化 [WY20型X3編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


WY20型X3[2.0Lターボ 4WD/8AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト10.00kg/ps48.63
1速ギヤ加速性能1.15kg/kgm60.00
1L換算馬力92.2ps/L46.87
1L換算トルク19.40kgm/L64.38
WB/TR比1.7354.38
ワイド&ロー指数0.89149.23
前面の面積3.149m²34.16
最低地上高210mm25.22
スポーツ性能部門の得点382.87

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費18.6km/L52.80
年間維持費236710円58.71
100kmh回転数1550rpm63.95
航続距離1246.2km82.82
車の大きさ14.643m³64.09
室内の広さ(仮) 2.655m³42.64
最小回転半径5.7m38.72
馬力単価30652円36.37
ユーティリティ部門の得点440.10

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した WY20型X3[2.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 822.97 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したWY20型X3(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全ての5人乗SUV」、「2000ccの5人乗SUV」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2012/09/25|更新日:2018/02/09


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