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アウディの3ドア・4人乗りクーペ、8JCEPF型の2代目TT-RSクーペは2010/02から生産が開始され、2013/02に生産(または販売)を終えました。
ここでは排気量2480cc(340PS/45.9kgm)のCEP型エンジンを搭載する[BaseGrade|2011/07モデル]のカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説しています。
ボディサイズが全長4200mm×全幅1840mm×全高1380mm、排気量は2480ccであることから、大雑把に分類すると2.5リットルクラス(2500cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。
ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4200mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下|Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。
車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。
8JCEPF型 TT-RSクーペ [2480cc/340PS 4WD/7AT] お品書き
![]() エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ | ![]() No Data | ![]() タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差 | ![]() 各種スペックの相対評価とレーダーチャート |
2代目TT-RSクーペの類型&他グレード 人気順
- 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
- 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像 | 排気量 車両価格 | 車両型式 グレード | 出力 燃費 |
---|---|---|---|
![]() | 2.0L-TB 4WD/6AT 504.0万円 | 8JCCZF型 [2.0TFSI-Quattro] (2009/01) | 200PS 28.5kgm 12.4km/L |
![]() | 2.0L-TB FF/6AT 444.0万円 | 8JBWA型 [2.0TFSI] (2009/08) | 200PS 28.5kgm 12.0km/L |
![]() | 2.5L-TB 4WD/6MT 835.0万円 | 8JCEPF型 [BaseGrade] (2010/02) | 340PS 45.9kgm 10.6km/L |
![]() | 3.2L-NA 4WD/6AT 599.0万円 | 8JBUBF型 [3.2-Quattro] (2009/01) | 250PS 32.6kgm 10.8km/L |
![]() | 2.0L-TB 4WD/6AT 520.0万円 | 8JCESF型 [2.0TFSI-Quattro] (2011/07) | 211PS 35.7kgm 13.0km/L |
2代目TT-RSクーペの車両型式・グレード一覧【全11車種】 |
主要諸元とエンジン諸元
主要諸元 | |
---|---|
メーカー | AUDI |
車名& グレード | TT-RSクーペ BaseGrade |
その他 | A5 ベースグレード |
お値段 | 8640000円 |
車両型式 | ABA-8JCEPF |
駆動方式 変速機 | 4WD・四輪駆動(AWD) 7AT(7段変速・自動) |
ドア数& 定員 | 3ドア 4人 |
車体寸法 | 長4200×幅1840×高1380mm |
軸距& 輪距 | 2465mm 前1560mm/後1545mm |
最小半径 | 5.2m |
タイヤ | 前輪:255/35R19 後輪:255/35R19 |
ブレーキ | 前:ベンチレーテッドディスク 後:ベンチレーテッドディスク |
車両重量 | 1500kg |
エンジン諸元 | |
---|---|
原動機型式 | CEP |
気筒配列 | 直列5気筒 |
排気量 | 2480cc |
圧縮比 | 10.0 |
吸気方式 | ターボ |
最高出力 | 340PS[250kW]/5400-6500rpm |
最大トルク | 45.9kgm[450Nm]/1600-5300rpm |
使用燃料 | ハイオクガソリン |
※CEP型エンジンの諸元と性能まとめ ※直列5気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に5個配置する方式。直4以上、直6未満の変り種。 ※直列5気筒エンジンを搭載する車種の一覧 ※直列5気筒の最高出力ランキング |
税金と年間維持費のシミュレーション
ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(45000円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(12300円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代、月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。
さらに、2011/07モデルのTT-RSクーペを8年落ちの中古で475.2万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。
- 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
TT-RSクーペの2011/07モデルの場合、2019年現在では8年が経過しているため、新車価格の50%である432万円に諸経費として43.2万円を足した475.2万円を中古車価格の目安としています。 - ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
- 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
- 自動車保険は比較で安くなる!
2011年式を8年落ちの中古で買った場合の年間維持費
名目 | 区分 | 金額 | ||
---|---|---|---|---|
自動車税(1年分) | 2500cc以下 | 13年未満 | 45000円 | |
自動車重量税(1年分) | 1.5トン以下 | 13年未満 | 12300円 | |
自賠責保険料(1年分) | 自家用乗用車 | 13920円 | ||
燃料代(年間1万km) | 10000km÷8.3km/L×160円/L | 192770円 | ||
オイル交換(5000km毎) | 1回6000円×2回 | 12000円 | ||
タイヤ交換(3年3万km毎) | 1本21000円×4本÷3年 | 28000円 | ||
任意保険料(月額6000円) | 月額6000円×12ヶ月 | 72000円 | ||
ローン完済後の年間維持費 | 375990円 | |||
名目 | 区分 | 金額 | ||
車のローン額(1年分) | 月額79200円×12ヶ月 | 950400円 | ||
ローン返済中の年間維持費 | 1326390円 | |||
次回車検費用の積み立て目安 | ||||
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 | 55440円 |
名目 | 金額 |
---|---|
自動車税(1年分) | 45000円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(年間1万km) | 192770円 |
オイル交換(5000km毎) | 12000円 |
タイヤ交換(3年3万km毎) | 28000円 |
任意保険料(月額6000円) | 72000円 |
ローン完済後の年間維持費 | 375990円 |
名目 | 金額 |
車のローン額(1年分) | 950400円 |
ローン返済中の年間維持費 | 1326390円 |
次回車検費用の積み立て目安 | |
重量税2年分+自賠責24ヶ月分 +検査手数料等3000円程度 | 55440円 |
- 初度登録から8年経過車の場合、自動車税の区分は「2500cc以下の13年未満」で税額は45000円、重量税の区分は「1.5トン以下の13年未満」で税額は12300円(単年)です。
- エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
- タイヤ交換の金額は、1本21000円のタイヤ4本を3年周期で交換すると仮定した場合のもの。
- 任意保険料の金額は、月額6000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
- 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
- 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
- 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。 - 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
- 車検時には上記の目安金額55,440円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
- 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
年間の維持費が60万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3~4万円、年間では36~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。
この車の場合は月単位で換算すると31,333円(完済前は110,533円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも憧れちゃいます。
●TT-RSクーペの燃料代にぶら下がる税金(年間納税額)
さて、自動車には「これでもか!これでもか!嫌なら乗るな!」と言わんばかりに何種類もの税金が課せられており、あまり詳らかにするとますます自動車離れに拍車がかかってしまいそうなのですが、TT-RSクーペの燃料代に対する税額と割合を調べてみたいと思います。
燃料にかかる税金 | |
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ガソリン税(本則) | 34580円 |
ガソリン税(暫定) | 30240円 |
石油税 | 3370円 |
消費税(10%) | 17520円 |
合計納税額 | 85710円 |
例として年間走行距離を10000km、燃費を8.3km/L、ガソリンを1リットルあたり160円(諸税込)として計算してみます。
このとき使用するガソリンの量は1204.8Lですから、ガソリン税(本則)が28.7円/Lで合計34580円、ガソリン税(暫定)が25.1円/Lで30240円、石油税が2.8円/Lで3370円になります。
ガソリン車の場合は本体価格88.9円/Lに加えてガソリン税・石油税にも消費税率を掛けるので、消費税額としては17520円となり、これらを合計した税額は85710円、1年間に燃料代として支払う192770円のうち44.5%が税金、ということになります。
さらに自動車税が年間で45000円、自動車重量税が年換算で12300円ですから、合計143010円がTT-RSクーペに課せられる税金としてぶら下がっている計算です。
低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km
せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。
走行距離が少なくなれば燃料代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。
年間3000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 45000円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(3000km分) | 57830円 |
オイル交換(年1回) | 6000円 |
タイヤ交換(3万km/6年) | 8400円 |
任意保険料(月額4800円) | 57600円 |
合計 [差額] | 201050円 [-174940円] |
年間5000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 45000円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(5000km分) | 96390円 |
オイル交換(年1回) | 6000円 |
タイヤ交換(3万km/6年) | 14000円 |
任意保険料(月額5100円) | 61200円 |
合計 [差額] | 248810円 [-127180円] |
年間7000km走行の場合 | |
---|---|
名目 | 金額 |
自動車税(1年分) | 45000円 |
自動車重量税(1年分) | 12300円 |
自賠責保険料(1年分) | 13920円 |
燃料代(7000km分) | 134940円 |
オイル交換(年1回) | 8400円 |
タイヤ交換(3万km/4.3年) | 19600円 |
任意保険料(月額5400円) | 64800円 |
合計 [差額] | 298960円 [-77030円] |
自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、燃料代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。
タイヤ交換費用については、スリップサインまで30000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料72000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。
年間3000km走行では、10000km走行に比べて174940円安い201050円に、5000km走行では127180円安い248810円に、7000km走行では77030円安い298960円という結果になりました。
自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。
1km走行コストと月間&年間交通費
距離/日 | 費用/日 | 月換算 | 年換算 |
---|---|---|---|
10km | 190円 | 4200円 | 4.9万円 |
20km | 390円 | 8600円 | 10.1万円 |
30km | 580円 | 12800円 | 15.1万円 |
50km | 960円 | 21100円 | 25.0万円 |
100km | 1930円 | 42500円 | 50.2万円 |
さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を8.3km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは19.28円になります。
たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は190円/日となり、20km走行なら390円/日、30km走行なら580円/日、50km走行なら960円/日、100km走行なら1930円/日かかる計算です。
1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmで燃料代は12800円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmで燃料代は15.1万円/年という塩梅です。
カタログスペックから見えてくる要素
CEP型エンジン簡易性能曲線図 | |
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各回転域での馬力 | |
1600回転時の馬力 | 103PS |
5300回転時の馬力 | 340PS |
5400回転時の馬力 | 340PS |
6500回転時の馬力 | 340PS |
各回転域でのトルク | |
1600回転時のトルク | 45.9kgm |
5300回転時のトルク | 45.9kgm |
5400回転時のトルク | 45.1kgm |
6500回転時のトルク | 37.5kgm |
CEP型エンジンの性能 |
まずおさらいとして、搭載しているCEP型2480cc、直列5気筒のターボエンジンは5400-6500回転時に最高出力340馬力を、1600-5300回転時に最大トルク45.9kgmを発生します。
馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。
トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。
※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。
ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1600rpmから最高出力が発生する6500rpmまで」の4900rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は75.4%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域
最高出力ランキング リスト |
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2500cc以下クラス編 |
輸入車・外車の小型車&普通車編 |
最大トルク ランキング リスト |
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2500cc以下クラス編 |
輸入車・外車の小型車&普通車編 |
さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ は4.41kg/PS(1500kg/340PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。
車重と搭乗者とPWR | |
---|---|
車体のみ | 4.41kg/PS |
車体+1人 | 4.57kg/PS |
車体+4人 | 5.06kg/PS |
お腹と車重とPWR | |
車体+60kg | 4.59kg/PS |
車体+70kg | 4.62kg/PS |
車体+80kg | 4.65kg/PS |
車体+90kg | 4.68kg/PS |
車体+100kg | 4.71kg/PS |
というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは4.57kg/PS(1555kg/340PS)となり、数値としては0.16kgほど悪化します。
次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.06kg/PS(1720kg/340PS)となり、0.65kgも悪化することになります。
もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。
TT-RSクーペのライバル候補車たち
![]() | 4.48kg/PS スカイライン 3.0L/405PS|FR/7AT |
---|---|
![]() | 4.63kg/PS スープラ 3.0L/340PS|FR/8AT |
![]() | 4.68kg/PS Eクラス セダン 3.0L/435PS|4WD/9AT |
![]() | 4.71kg/PS A8 4.0L/460PS|4WD/8AT |
![]() | 4.62kg/PS アルピーヌ A110 1.8L/252PS|MR/7AT |
車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ4.57kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。
4.34kg/PSから4.80kg/PSの範囲で知名度を優先して選んでみたところ、日産の5人乗りセダン「RV37型 スカイライン」、トヨタの2人乗りクーペ「DB42型 スープラ」、メルセデスベンツの5人乗りセダン「213061型 Eクラス セダン」、アウディの5人乗りセダン「F8CXYF型 A8」、ルノーの2人乗りクーペ「DFM5P型 アルピーヌ A110」という顔ぶれが並びました。
「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。
●8JCEPF型 TT-RSクーペ [BaseGrade]とパワーウェイトレシオが近い車種|4.57kg/PS
いろいろな数値 | |
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WB/TR比 | 1.59 |
平均ピストンスピード | 16.7m/s |
トルクウェイトレシオ | 32.7kg/kgm |
1馬力あたりのお値段 | 25412円 |
排気量1Lあたり馬力 | 137.1PS/L |
排気量1Lあたりトルク | 18.51kgm/L |
1気筒あたりの馬力 | 68.0PS |
1気筒あたりのトルク | 9.2kgm |
パワーバンド比率 | 75.4% |
各種ランキング | |
クーペのPWR 2.0~2.5Lターボ車のPWR |
トルクウェイトレシオは32.7kg/kgm(1500kg/45.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)
ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が8640000円、最高出力が340馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は25412円、逆に1万円あたりでは0.39馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は188235円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。
- 1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング | 輸入車編 | 2500cc以下の車編 | クーペ編
最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は137.1PS/L、トルクは18.51kgm/L、1気筒あたりの馬力は68.0馬力、トルクは9.2kgmとなり、このエンジンが340馬力を6500回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.7m/sです。
●排気量1リットルあたりの馬力ランキング
ちなみに、ストローク量が92.8mmであるCEP型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6470回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
●平均ピストンスピードが速い車ランキング
この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.59になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、真っ直ぐ進むよりも小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
●ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング
車中泊の可能性
車中泊の可能性 | |
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期待される荷室の長さ | 1.47m |
期待される荷室の幅 | 1.44m |
対角線の長さ | 2.06m |
期待される荷室の面積 | 2.12m² |
ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。
縦方向の長さが1.47m(対角線では2.06m)であれば、小柄な体型なら斜めに転げることで足を伸ばして寝られないこともなさそうです。普通体型では斜めに転げた上で腰と膝を曲げれば何とかギリギリ、大柄な体型ではダンゴ虫のように丸まって腰痛覚悟で決死の車中泊を敢行せざるを得ません。
セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。車中泊にあると嬉しいアイテム
燃料タンクと燃費と航続距離と
燃料タンクと燃費と航続距離と | |
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暫定基準燃費 | 8.3km/L |
燃料タンク容量 | 60L |
航続距離(カタログ燃費) | 498.0km |
航続距離(80%燃費) | 396.0km |
満タンプライス | 9600円 |
10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので8.3km/Lを仮の燃費とすると、燃料タンクの容量が60リットルですと航続可能距離は498.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)
実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(7.5km/L)とすると450.0km、80%(6.6km/L)だと396.0km、70%(5.8km/L)では348.0kmという航続距離になります。
燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン60リットルの給油で9600円、上で計算した航続距離を踏まえると498.0km(80%燃費時396.0km)を走行するのに9600円かかる計算です。
純正装着タイヤの255/35R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版
下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。
※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。
純正タイヤ 255/35R19 | 直径 661mm | |||||
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-20mm 幅235mm | -10mm 幅245mm | 変更なし 幅255mm | +10mm 幅265mm | +20mm 幅275mm | |
-5% 30 扁平 | 235/30R19 37.8km/h 直径624mm 径差-37mm | 245/30R19 38.1km/h 直径630mm 径差-31mm | 255/30R19 38.5km/h 直径636mm 径差-25mm | 265/30R19 38.9km/h 直径642mm 径差-19mm | 275/30R19 39.2km/h 直径648mm 径差-13mm |
0% 35 扁平 | 235/35R19 39.2km/h 直径648mm 径差-13mm | 245/35R19 39.6km/h 直径655mm 径差-6mm | 255/35R19 40.0km/h 661mm 0mm | 265/35R19 40.5km/h 直径669mm 径差+8mm | 275/35R19 40.9km/h 直径676mm 径差+15mm |
+5% 40 扁平 | 235/40R19 40.6km/h 直径671mm 径差+10mm | 245/40R19 41.1km/h 直径679mm 径差+18mm | 255/40R19 41.6km/h 直径687mm 径差+26mm | 265/40R19 42.1km/h 直径695mm 径差+34mm | 275/40R19 42.5km/h 直径703mm 径差+42mm |
+10% 45 扁平 | 235/45R19 42.1km/h 直径695mm 径差+34mm | 245/45R19 42.6km/h 直径704mm 径差+43mm | 255/45R19 43.1km/h 直径713mm 径差+52mm | 265/45R19 43.7km/h 直径722mm 径差+61mm | 275/45R19 44.2km/h 直径731mm 径差+70mm |
もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、235/35R19 、245/30R19、245/35R19 、255/30R19 、265/30R19 、275/30R19あたりのタイヤがおすすめです。
255/35R19のタイヤ幅を235mmから285mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを19インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが255/35R19のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。
8JCEPF型TT-RSクーペ[2.5Lターボ 4WD/7AT]の得点(簡易版)
ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。
スポーツ性能部門 | ||
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評価項目 | 数値 | 得点 |
パワーウェイト | 4.41kg/ps | 64.65 |
1速ギヤ加速性能 | – | 39.27 |
1L換算馬力 | 137.1ps/L | 64.69 |
1L換算トルク | 18.51kgm/L | 60.82 |
WB/TR比 | 1.59 | 68.96 |
ワイド&ロー指数 | 0.750 | 59.06 |
前面の面積 | 2.539m² | 51.11 |
最低地上高 | – | 43.38 |
スポーツ性能部門の得点 | 451.94 |
※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。
ユーティリティ部門 | ||
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評価項目 | 数値 | 得点 |
燃費 | – | 41.55 |
年間維持費 | 375990円 | 45.14 |
100kmh回転数 | – | 42.85 |
航続距離 | – | 24.75 |
車の大きさ | 10.665m³ | 47.31 |
室内の広さ | (仮) 1.934m³ | 34.97 |
最小回転半径 | 5.2m | 49.36 |
馬力単価 | 25412円 | 43.66 |
ユーティリティ部門の得点 | 329.59 |
※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。
スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 8JCEPF型TT-RSクーペ[2.5Lターボ 4WD/7AT] の総合得点は 781.53 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。
上記リンク先では、今回このページで紹介したTT-RSクーペ(4WD/7AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「2500ccのクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。