アウディ S6の性能まとめ [4AAAN型|2.3L/230PS|4WD/4AT|1995年] Quattro C4


 画像はアウディより引用
 http://www.audi.co.jp/

アウディの4ドア・5人乗りセダン、4AAAN型の初代S6は1994/11から生産が開始され、1996/10に生産(または販売)を終えました。ここでは1995/10モデルにある[Quattro C4]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4795mm×全幅1815mm×全高1415mm、排気量は2226ccであることから、大雑把に分類すると2.3リットルクラス(2300cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4795mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium 4650mm超-4900mm以下 Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

4AAAN型 S6 [2226cc/230PS 4WD/4AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

初代S6の類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
2.8L-NA
4WD/4AT
599.0万円
4AACKF型
[2.8-Quattro]
(1996/10)
193PS
28.6kgm
8.7km/L
2.8L-NA
4WD/4AT
569.0万円
4AACKF型
[2.8-Quattro]
(1996/10)
193PS
28.6kgm
8.7km/L
2.8L-NA
FF/4AT
558.0万円
4AAAH型
[2.8]
(1994/11)
170PS
25.5kgm
9.0km/L
初代S6の車両型式・グレード一覧【全6車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー AUDI
車名&
グレード
S6
Quattro C4
その他 クワトロ
お値段 7340000円
車両型式 E-4AAAN
駆動&
変速機
4WD(AWD,四輪駆動)&
4AT(4速AT,4段AT)
ドア数&
定員
4ドア
5人
車体寸法 長4795×幅1815×高1415mm
軸距&
輪距
2685mm
前1560mm/後1525mm
タイヤ 前225/50R16 後225/50R16
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 1710kg
エンジン諸元
原動機型式 AAN
気筒配列 直列5気筒
排気量 2226cc
圧縮比
吸気方式 ターボ
最高出力 230PS(169kW 227HP)/5900rpm
最大トルク 31.6kgm(310Nm)/1800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
※直列5気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に5個配置する方式。直4以上、直6未満の変り種。
※直列5気筒エンジンを搭載する車種の一覧
AAN型エンジンの諸元と性能まとめ
※直列5気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(51700円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(25200円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1995/10モデルのS6を24年落ちの中古で80.7万円にて購入し、頭金なしで2年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    S6の1995/10モデルの場合、2019年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の10%である73.4万円に諸経費として7.3万円を足した80.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

1995年式を24年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2500cc以下 13年経過で増税 51700
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過で増税 25200
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷6.2km/L×160円/L 258060円
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本12000円×4本÷3年 16000円
任意保険料(月額6000円) 月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 448880円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額33640円×12ヶ月 403680円
ローン返済中の年間維持費 852560円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 81240円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 車検時には上記の目安金額81,240円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

年間の維持費が60万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3~4万円、年間では36~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。この車の場合は月単位で換算すると37,407円(完済前は71,047円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも憧れちゃいます。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km260円5700円6.8万円
20km520円11400円13.5万円
30km770円16900円20.0万円
50km1290円28400円33.5万円
100km2580円56800円67.1万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を6.2km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは25.81円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は260円/日となり、20km走行なら520円/日、30km走行なら770円/日、50km走行なら1290円/日、100km走行なら2580円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は5700円/月、20kmなら440kmで11400円/月、30kmなら660kmで16900円/月、50kmなら1100kmで28400円/月、100kmなら2200kmで56800円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は6.8万円/年、20kmなら5200kmで13.5万円/年、30kmなら7800kmで20.0万円/年、50kmなら13000kmで33.5万円/年、100kmなら26000kmで67.1万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
2500cc以下のターボ/SC輸入車編セダン限定


カタログスペックから見えてくる要素

AAN型エンジン簡易性能曲線図
AAN型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1800回転時の馬力 79PS
5900回転時の馬力 230PS
各回転域でのトルク
1800回転時のトルク 31.6kgm
5900回転時のトルク 27.9kgm
AAN型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているAAN型2226cc、直列5気筒のターボエンジンは5900回転時に最高出力230馬力を、1800回転時に最大トルク31.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1800rpmから最高出力が発生する5900rpmまで」の4100rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は69.5%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.43kg/PS(1710kg/230PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.43kg/PS
車体+1人7.67kg/PS
車体+5人8.63kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.70kg/PS
車体+70kg7.74kg/PS
車体+80kg7.78kg/PS
車体+90kg7.83kg/PS
車体+100kg7.87kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.67kg/PS(1765kg/230PS)となり、数値としては0.24kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの5人が搭乗した場合、車両重量に275kgがプラスされてパワーウェイトレシオは8.63kg/PS(1985kg/230PS)となり、1.20kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.74
平均ピストンスピード 17.0m/s
トルクウェイトレシオ 54.1kg/kgm
1馬力あたりのお値段 31913円
排気量1Lあたり馬力 103.3PS/L
排気量1Lあたりトルク 14.20kgm/L
1気筒あたりの馬力 46.0PS
1気筒あたりのトルク 6.3kgm
パワーバンド比率 69.5%
各種ランキング
セダンのP/Wレシオ
2.0~2.5L以下のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは54.1kg/kgm(1710kg/31.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7340000円、最高出力が230馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は31913円、逆に1万円あたりでは0.31馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は232278円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は103.3PS/L、トルクは14.20kgm/L、1気筒あたりの馬力は46.0馬力、トルクは6.3kgmとなり、このエンジンが230馬力を5900回転で発生させているときの平均ピストンスピードは17.0m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が86.4mmであるAAN型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6940回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.74になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、S6の車両重量1710kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1765kgと、5名フル乗車時の1985kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1765kg
5名乗車
1985kg
40km/h109kJ123kJ+14kJ
60km/h245kJ276kJ+31kJ
80km/h436kJ490kJ+54kJ
100km/h681kJ766kJ+85kJ
120km/h981kJ1103kJ+122kJ
140km/h1335kJ1501kJ+166kJ
180km/h2206kJ2481kJ+275kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは109kJ、5名乗車では123kJとなり、その差は14kJ、倍率にすれば1.1倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも436kJ、5名乗車では54kJ増加して490kJにもなり、重量から見れば1.1倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で2206kJ、5名乗車では275kJ増加して2481kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.2倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを681000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量681kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg172km/h231kJ-450kJ
800kg149km/h309kJ-372kJ
1000kg133km/h386kJ-295kJ
1500kg108km/h579kJ-102kJ
1765kg100km/h681kJ
2500kg84km/h965kJ+284kJ
3000kg77km/h1157kJ+476kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1765kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、1500kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が172km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が77km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


車中泊の可能性

車中泊の可能性
期待される荷室の長さ 1.68m
期待される荷室の幅 1.42m
対角線の長さ 2.20m
期待される荷室の面積 2.39m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.68m(対角線では2.20m)ともなると、もはや車の中で生活しても良いんじゃないかと錯覚しかねないほど快適な睡眠が約束されます。日頃の行いが悪いとか、人様には言えないことをやらかしたとか、誰の顔も見たくないなどの訳アリで家に帰れず、やむなく車中泊をしてみたが最期、あまりの気楽さに心を奪われ流浪の民となりかねません。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。車中泊にあると嬉しいアイテム


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 6.2km/L
燃料タンク容量 80L
航続距離(カタログ燃費) 496.0km
航続距離(80%燃費) 400.0km
満タンプライス 12800円

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので6.2km/Lを仮の燃費とすると、燃料タンクの容量が80リットルですと航続可能距離は496.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.6km/L)とすると448.0km、80%(5.0km/L)だと400.0km、70%(4.3km/L)では344.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン80リットルの給油で12800円、上で計算した航続距離を踏まえると496.0km(80%燃費時400.0km)を走行するのに12800円かかる計算です。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5900rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6400回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6400rpm|タイヤサイズ 225/50R16|タイヤ直径 63.1cm|円周長 198.2cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6400rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 2.580 10.56 72.1kmh 8880rpm 1057.4kgm
2速 1.407 5.757 0.545 1-2/3490rpm 132.2kmh 4840rpm 576.7kgm
3速 1.000 4.092 0.711 2-3/4550rpm 186.0kmh 3440rpm 409.8kgm
4速 0.742 3.036 0.742 3-4/4750rpm 250.7kmh 2550rpm 304.1kgm
Final 4.092 レシオカバレッジ(変速比幅)3.477
ギヤの繋がりイメージ
4AAAN型S64AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1800rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.092)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(31.6kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(4.092)÷タイヤの有効半径(0.3155m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は4速ギヤの250.7km(5900rpmでは231.1km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:5900rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

5900rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ66km/h
2速ギヤ122km/h3220rpm
3速ギヤ171km/h4190rpm
4速ギヤ231km/h4380rpm

4AAAN型S6に搭載されたAAN型2226ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する5900rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで5900rpmまで引っ張ると66km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は5900rpmから3220rpmまで落ち、そこから5900rpmまで加速を続けると速度は122km/h(+56km/h)になります。

3速ギヤでは4190rpmまで落ちて5900rpmで171km/h(+49km/h)に、4速ギヤでは4380rpmまで落ちて5900rpmで231km/h(+60km/h)に、という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1800回転で最大トルク31.6kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば54.1kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(7.43kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと1057.4kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1710kg)を1速ギヤの最大駆動力(1057.4kgm)で割ってみると1.62kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する5900回転でのトルク(27.9kgm)からTWRを算出すると1.83kg/kgmとなり、1800-5900回転の回転域では1.62-1.83kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 3550 5330 7100 8880 10650 12430 15980
2速 1940 2900 3870 4840 5810 6780 8710
3速 1380 2060 2750 3440 4130 4820 6190
4速 1020 1530 2040 2550 3060 3570 4600
※赤い数字は暫定レブリミット(6400rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.742)を選択して時速100kmにて走行すると2550回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは1530回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1790回転、一般的な高速道路の80km/hでは2040回転、100km/hでは2550回転、制限速度が120km/hになると3060回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは4600回転まで回ります。

一般的な自動車であれば時速100kmでの巡航回転数は2500回転付近に落ち着くようですが、その中でも若干高めの回転数となっています。標準的なギヤ比の範囲内ながらも静粛性や燃費よりも加速に重きを置いた設定なので、高速道路やバイパスを走行するとき、ふと「もう1段上のギヤがあったらなあ‥」と呟くことがあるかもしれません。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 11 23 34 45 56 68 79 90
2速 21 41 62 83 103 124 145 165
3速 29 58 87 116 145 174 203 232
4速 39 78 117 157 196 235 274 313

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6400回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの225/50R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/50R16 | 直径 631mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
45
扁平
205/45R16
37.5km/h
直径591mm
径差-40mm
215/45R16
38.0km/h
直径600mm
径差-31mm
225/45R16
38.6km/h
直径609mm
径差-22mm
235/45R16
39.2km/h
直径618mm
径差-13mm
245/45R16
39.7km/h
直径627mm
径差-4mm
0%
50
扁平
205/50R16
38.7km/h
直径611mm
径差-20mm
215/50R16
39.4km/h
直径621mm
径差-10mm
225/50R16
40.0km/h
631mm
0mm
235/50R16
40.6km/h
直径641mm
径差+10mm
245/50R16
41.3km/h
直径651mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
205/55R16
40.1km/h
直径632mm
径差+1mm
215/55R16
40.8km/h
直径643mm
径差+12mm
225/55R16
41.5km/h
直径654mm
径差+23mm
235/55R16
42.2km/h
直径665mm
径差+34mm
245/55R16
42.9km/h
直径676mm
径差+45mm
+10%
60
扁平
205/60R16
41.3km/h
直径652mm
径差+21mm
215/60R16
42.1km/h
直径664mm
径差+33mm
225/60R16
42.9km/h
直径676mm
径差+45mm
235/60R16
43.6km/h
直径688mm
径差+57mm
245/60R16
44.4km/h
直径700mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/50R16 、215/45R16、215/50R16 、225/45R16 、235/45R16 、245/45R16あたりのタイヤがおすすめです。

225/50R16のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、225/50R16の適応サイズと性能の変化 [4AAAN型S6編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


4AAAN型S6[2.3Lターボ 4WD/4AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.43kg/ps55.99
1速ギヤ加速性能1.62kg/kgm49.32
1L換算馬力103.3ps/L51.30
1L換算トルク14.20kgm/L46.32
WB/TR比1.7453.33
ワイド&ロー指数0.78057.40
前面の面積2.568m²50.45
最低地上高43.35
スポーツ性能部門の得点407.46

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費41.55
年間維持費448880円38.97
100kmh回転数2550rpm49.76
航続距離25.34
車の大きさ12.315m³54.29
室内の広さ(仮) 2.233m³38.19
最小回転半径39.00
馬力単価31913円34.65
ユーティリティ部門の得点321.75

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 4AAAN型S6[2.3Lターボ 4WD/4AT] の総合得点は 729.21 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した4AAAN型S6(4WD/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのセダン」、「2500ccのセダン」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2012/01/13|更新日:2018/02/09


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