アウディ S5 カブリオレの性能まとめ [F5CWGC型|3.0L/354PS|4WD/8AT|2018年]


 画像はアウディより引用
 http://www.audi.co.jp/

アウディの2ドア・4人乗りオープンカー、F5CWGC型の2代目S5 カブリオレは2017/04から生産(または販売)が開始されました。ここでは2018/12モデルにある[BaseGrade]というグレードのカタログスペックを基に、数値から見た性能をインプレおよび評価・解説してみます。

ボディサイズが全長4705mm×全幅1845mm×全高1375mm、排気量は2994ccであることから、大雑把に分類すると3.0リットルクラス(3000cc、自動車税は3.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4705mmであるこの車の場合は「アッパーミディアム」(Upper-Medium 4650mm超-4900mm以下 Eセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります

車両に備わる全てのタイヤを駆動する、いわゆるAWD方式(All Wheel Drive・Four Wheel Drive)を採用しています。真っ直ぐ進むことに掛けては右に出る者なしとされ、大雨、強風、泥濘、降雪、凍結など天変地異による悪天候下や悪路にて無類の強さを発揮する安心の駆動方式です。

F5CWGC型 S5 カブリオレ [2994cc/354PS 4WD/8AT] お品書き

ページが長大でどうにもならないため、ページ下部の項目にジャンプできるようなものを作りました。

エンジン性能と特性、パワーウェイトレシオ

ギヤ比と加速力&エンジン回転数と最高速

タイヤサイズ変更とスピードメーター誤差

各種スペックの相対評価とレーダーチャート

2代目S5 カブリオレの類型&他グレード

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • ※燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種
画像排気量
車両価格
車両型式
グレード
出力
燃費
3.0L-TB
4WD/8AT
913.0万円
F5CWGF型
[Coupe]
(2017/04)
354PS
51.0kgm
12.7km/L
3.0L-TB
4WD/8AT
913.0万円
F5CWGL型
[Sportback]
(2017/04)
354PS
51.0kgm
12.7km/L
2.0L-TB
4WD/7AT
765.0万円
F5CYRC型
[45 TFSI Quattoro Sport]
(2018/12)
252PS
37.7kgm
13.8km/L
2代目S5 カブリオレの車両型式・グレード一覧【全7車種】

主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー AUDI
車名&
グレード
S5 カブリオレ
BaseGrade
その他 -
お値段 9810000円
車両型式 ABA-F5CWGC
駆動&
変速機
4WD(AWD,四輪駆動)&
8AT(8速AT,8段AT)
ドア数&
定員
2ドア
4人
車体寸法 長4705×幅1845×高1375mm
軸距&
輪距
2765mm
前1580mm/後1560mm
最小半径 5.4m
最低高 120mm
タイヤ 前255/35R19 後255/35R19
ブレーキ 前ベンチレーテッドディスク
後ベンチレーテッドディスク
車両重量 1890kg
エンジン諸元
原動機型式 CWG
気筒配列 V型6気筒
排気量 2994cc
圧縮比 11.2
吸気方式 ターボ
最高出力 354PS(260kW 349HP)/5400-6400rpm
最大トルク 51.0kgm(500Nm)/1370-4500rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
JC08燃費 12.5km/L (29.4mpg)
100km燃費 8.0L/100km
※V型6気筒とは‥シリンダをV字型に交互で6個配置する方式。中排気量のスタンダード。
CWG型エンジンの諸元と性能まとめ
※V型6気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税(51000円)、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税(16400円/年)と自賠責保険料(13920円/年)、年間1万km走行した際に掛かる燃料代月額6500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、3年3万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、S5 カブリオレの新車を1128.2万円(諸費用として147.2万円を加算)にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 保険スクエアbang!では最大20社より自動車保険料の比較・検討が可能です。

新車で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 3000cc以下 13年未満 51000円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 13年未満 16400
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 13920円
燃料代(年間1万km) 10000km÷12.5km/L×160円/L 128000円
オイル交換(5000km毎) 1回6500円×2回 13000円
タイヤ交換(3年3万km毎) 1本21000円×4本÷3年 28000円
任意保険料(月額6500円) 月額6500円×12ヶ月 78000円
ローン完済後の年間維持費 328320円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額188030円×12ヶ月 2256360円
ローン返済中の年間維持費 2584680円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 63640円
  • 平成25年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 平成27年4月1日からの自動車税の割増(10%増→15%増)に対応。
  • 平成28年4月1日からの自動車重量税の変更に対応、
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 燃料消費率が緑文字のものはWLTCモード燃費、青文字のものはJC08モード燃費、赤文字のものは10・15モード燃費に0.8を掛けたもの。
  • 車検時には上記の目安金額63,640円の他に法定24ヶ月点検に関連する費用が必要です。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。

車に対して少し色気を出すと月換算で2~3万円の間、年間にすると24~36万円のクラスです。この車の場合は月単位で換算すると27,360円(完済前は215,390円)になります。口癖のように「もうちょっと維持費が安ければ…」と呟くその姿は自慢げなようでありながら哀愁を帯びているようでもあり対応に困ります。より維持費の掛からない新しい車を買うほどではない、が、維持費のことを考えずにはいられない、そんなクラスです。全体から見るとこの辺りから面白味のある車が増えてくるイメージです。

1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km130円2900円3.4万円
20km260円5700円6.8万円
30km380円8400円9.9万円
50km640円14100円16.6万円
100km1280円28200円33.3万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を160円、燃費を12.5km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは12.80円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmなら燃料代は130円/日となり、20km走行なら260円/日、30km走行なら380円/日、50km走行なら640円/日、100km走行なら1280円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が10kmなら月間の走行距離は220kmで燃料代は2900円/月、20kmなら440kmで5700円/月、30kmなら660kmで8400円/月、50kmなら1100kmで14100円/月、100kmなら2200kmで28200円/月かかります。

1年間の労働日数を260日とすると、通勤距離が10kmなら年間の走行距離は2600kmで燃料代は3.4万円/年、20kmなら5200kmで6.8万円/年、30kmなら7800kmで9.9万円/年、50kmなら13000kmで16.6万円/年、100kmなら26000kmで33.3万円/年となります。

1年間のランニングコスト(年間維持費) ランキング
新車の小型&普通車3000cc以下のターボ/SC輸入車編オープンカー限定


カタログスペックから見えてくる要素

CWG型エンジン簡易性能曲線図
CWG型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
1370回転時の馬力 98PS
4500回転時の馬力 320PS
5400回転時の馬力 354PS
6400回転時の馬力 354PS
各回転域でのトルク
1370回転時のトルク 51.0kgm
4500回転時のトルク 51.0kgm
5400回転時のトルク 47.0kgm
6400回転時のトルク 39.6kgm
CWG型エンジンの諸元と性能まとめ

まずおさらいとして、搭載しているCWG型2994cc、V型6気筒のターボエンジンは5400-6400回転時に最高出力354馬力を、1370-4500回転時に最大トルク51.0kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、アイドリングとそれほど変わらないような回転数から最大トルクが発生するこのエンジンは、坂道発進も平気の平左、MT車でもエンスト知らず、扱いやすさにかけては右に出るものがありません。ディーゼル車やダウンサイジングターボに多くあります。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する1370rpmから最高出力が発生する6400rpmまで」の5030rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は78.6%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.34kg/PS(1890kg/354PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.34kg/PS
車体+1人5.49kg/PS
車体+4人5.96kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.51kg/PS
車体+70kg5.54kg/PS
車体+80kg5.56kg/PS
車体+90kg5.59kg/PS
車体+100kg5.62kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.49kg/PS(1945kg/354PS)となり、数値としては0.15kgほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.96kg/PS(2110kg/354PS)となり、0.62kgも悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。

いろいろな数値
WB/TR比 1.76
平均ピストンスピード 16.0m/s
トルクウェイトレシオ 37.1kg/kgm
1馬力あたりのお値段 27712円
排気量1Lあたり馬力 118.2PS/L
排気量1Lあたりトルク 17.03kgm/L
1気筒あたりの馬力 59.0PS
1気筒あたりのトルク 8.5kgm
パワーバンド比率 78.6%
各種ランキング
オープンカーのP/Wレシオ
2.5~3.0L以下のP/Wレシオ(ターボ)

トルクウェイトレシオは37.1kg/kgm(1890kg/51.0kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が9810000円、最高出力が354馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は27712円、逆に1万円あたりでは0.36馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は192353円、1万円あたりでは0.05kgmとなります。

最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は118.2PS/L、トルクは17.03kgm/L、1気筒あたりの馬力は59.0馬力、トルクは8.5kgmとなり、このエンジンが354馬力を6400回転で発生させているときの平均ピストンスピードは16.0m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が89.0mmであるCWG型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6740回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.76になります。全ての車種の平均値である1.77を基準にざっくりと分類すると、走ってよし、曲がってよしで至れり尽くせりのオールラウンダーであると言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


速度と車両重量と運動エネルギー

「スピードを出して事故をすると大変なことになる…!」あるいは「重いとブレーキをかけてもなかなか止まらない…」と感覚的には知っていても、なぜ大変なことになるのか、なぜ止まらないのかは今ひとつピンと来なかったりします。

そこで取り出しましたのが運動エネルギーなるもので、これはある重量の物体がある速度で移動しているとき、どれだけのエネルギーを有しているのかを数値的に知ることができるという代物です。

というわけで、S5 カブリオレの車両重量1890kgに1人ぶんの体重55kgを加えた1945kgと、4名フル乗車時の2110kgという2つの重量を用意して、40km/hから180km/hまでの速度域で運動エネルギーがどのように変化するのかを調べてみました。

速度1名乗車
1945kg
4名乗車
2110kg
40km/h120kJ130kJ+10kJ
60km/h270kJ293kJ+23kJ
80km/h480kJ521kJ+41kJ
100km/h750kJ814kJ+64kJ
120km/h1081kJ1172kJ+91kJ
140km/h1471kJ1596kJ+125kJ
180km/h2431kJ2638kJ+207kJ

たとえば1名乗車で40km/h走行しているときの運動エネルギーは120kJ、4名乗車では130kJとなり、その差は10kJ、倍率にすれば1.1倍ほどの増加でびっくりするほどではありません。

が、速度が倍の80km/hになると1名乗車でも480kJ、4名乗車では41kJ増加して521kJにもなり、重量から見れば1.1倍のままなれど、40km/hでの運動エネルギーと比べると4.0倍も増加しています。

これが180km/hになると1名乗車で2431kJ、4名乗車では207kJ増加して2638kJにもなり、80km/hと比べても5.1倍、40km/hと比べると20.3倍ものとんでもない運動エネルギーを有していることがわかります。

さて、速度が同じなら重いほうが運動エネルギーは大きくなることがわかりましたので、続いては運動エネルギーを750000Jとした場合に、重量の異なる自動車では時速何kmに相当するのかを調べてみます。

重量750kJ
速度
100キロ
[kJ]
600kg180km/h231kJ-519kJ
800kg156km/h309kJ-441kJ
1000kg139km/h386kJ-364kJ
1500kg114km/h579kJ-171kJ
1945kg100km/h750kJ-
2500kg88km/h965kJ+215kJ
3000kg80km/h1157kJ+407kJ
※100km/h[kJ]は各重量の車両が100km/h走行しているときの運動エネルギー

ここでは車両重量+体重55kgの1945kgを基準として、600kg、800kg、1000kg、1500kg、2500kg、3000kgで計算してみました。

考えたくもないことですが、たとえば同じ100km/hで走行する相手と正面衝突する場合、相手が600kgであれば当たり負けすることはなく、その相手が180km/hのとき互角の勝負になります。

逆に相手が3000kgで重い場合、双方が100km/hでは当たり負けして弾き飛ばされますが、相手が80km/hであれば互いに引かぬ真っ向勝負に持ち込める、というような雰囲気です。

いずれにせよ超スピードで事故をすれば衝突安全ボディもなんのその、車は雲散霧消の勢いで大変なことになり、ブレーキローターとブレーキパッドが身を削り、身を粉にして車を止めようにも一筋縄ではいかないことがわかる…ような気がしてきます。


燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
JC08モード燃費 12.5km/L
燃料タンク容量 58L
航続距離(カタログ燃費) 725.0km
航続距離(80%燃費) 580.0km
満タンプライス 9280円
1万円でどこまで行ける? 781.2km
車両価格/航続距離 13531円/km

JC08モード燃費が12.5km/Lですので、燃料タンクの容量が58リットルですと航続可能距離は725.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(11.2km/L)とすると649.6km、80%(10.0km/L)だと580.0km、70%(8.8km/L)では510.4kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン58リットルの給油で9280円、上で計算した航続距離を踏まえると725.0km(80%燃費時580.0km)を走行するのに9280円かかる計算です。

ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば781.2km(往復なら片道390.6km)、カタログ値の80%なら625.0km(片道312.5km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で725.0kmの距離を移動できるF5CWGC型 S5 カブリオレ [BaseGrade]という乗り物を、981.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「13531円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


ギヤ比と回転数と速度と駆動トルクとトルクウェイトレシオのステキな関係

続いてギヤ比を見てみます。あるギヤで走行中にエンジン(正確にはクランクシャフト)をレブリミットまで回したときの速度と、レブリミットでシフトアップした後の回転数を計算するためには、何回転で回転リミッターが働くのかを知らねばなりません。

しかし具体的な数値を知るにはECU(エンジン・コントロール・ユニット)にあるデータを参照しなければならなかったりで実現は厳しく、ならばとレッドゾーンが始まる回転数から推測しようにも、最近ではタコメータが装着されていない車両が多くあって心が折れます。

ピークパワーが発生する回転数(この車の場合5400-6400rpm)から必要以上に回してもあまり意味はないのでそれを上限としても良いのですが、気分よく運転しているときは往々にして回しすぎるのが常ですから、ここでは500回転をプラスした6900回転を仮のレブリミットとして計算してみます。

暫定レブ 6900rpm|タイヤサイズ 255/35R19|タイヤ直径 66.1cm|円周長 207.7cm
ギヤ ギヤ比 総減速比 ステップ比 シフトアップ
後の回転数
6900rpm
の速度
100kmh
の回転数
タイヤの
最大駆動力
1速 4.714 13.44 - - 64.0kmh 10780rpm 2073.9kgm
2速 3.142 8.958 0.667 1-2/4600rpm 96.0kmh 7190rpm 1382.3kgm
3速 2.106 6.004 0.670 2-3/4620rpm 143.2kmh 4820rpm 926.5kgm
4速 1.666 4.750 0.791 3-4/5460rpm 181.0kmh 3810rpm 732.9kgm
5速 1.284 3.661 0.771 4-5/5320rpm 234.9kmh 2940rpm 564.9kgm
6速 1.000 2.851 0.779 5-6/5380rpm 301.6kmh 2290rpm 439.9kgm
7速 0.839 2.392 0.839 6-7/5790rpm 359.5kmh 1920rpm 369.1kgm
8速 0.666 1.899 0.794 7-8/5480rpm 452.9kmh 1520rpm 293.0kgm
Final 2.851 レシオカバレッジ(変速比幅)7.078
ギヤの繋がりイメージ
F5CWGC型S5 カブリオレ8AT車のギヤ比イメージ
  • ステップ比(歯車比)とは隣接したギヤ同士の離れ具合を示した数値で、1.000に近いほどシフト操作後の回転数の変化が小さく(ギヤ同士の繋がりが良い)、離れるほど変化が大きく(繋がりが悪い)なることを表します。
    シフトアップでは現在の回転数にステップ比を乗じた回転数まで下がり、シフトダウンでは現在の回転数にステップ比を除した回転数まで上がります。
    赤い数字はシフトアップ後にパワーバンドの下限(最大トルク発生回転数1370-4500rpm)を下回るもの。
  • 時速100kmでの回転数は100km/h÷60÷タイヤ円周長×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.851)で算出。
  • タイヤの最大駆動力は最大トルク(51.0kgm)×各ギヤ比×ファイナルギヤ比(2.851)÷タイヤの有効半径(0.3305m)で算出。
    ただし、ATおよびCVTにあるトルクコンバーターでのトルク増幅効果は考慮できていません。

本来のレブリミットとは異なるので最高速の数値は前後しますが、上記の設定での最高速度は8速ギヤの452.9km(6400rpmでは420.0km/h)となります。この速度は空気抵抗、パワー不足、スピードリミッターなどネガティブ要素の一切を無視して、単にギヤ比とエンジン回転数、タイヤサイズだけで計算した速度です。

おまけ:6400rpmでシフトアップする場合の各ギヤ速度

6400rpmでの速度と
シフトアップ後の回転数
ギヤ速度回転数
1速ギヤ59km/h-
2速ギヤ89km/h4270rpm
3速ギヤ133km/h4290rpm
4速ギヤ168km/h5060rpm
5速ギヤ218km/h4930rpm
6速ギヤ280km/h4990rpm
7速ギヤ333km/h5370rpm
8速ギヤ420km/h5080rpm

F5CWGC型S5 カブリオレに搭載されたCWG型2994ccエンジンのレブリミットを、最高出力が発生する6400rpmとしてシフトアップするときの速度をシミュレートしてみます。

まず1速ギヤで6400rpmまで引っ張ると59km/hまで加速し、2速ギヤにシフトアップすると回転数は6400rpmから4270rpmまで落ち、そこから6400rpmまで加速を続けると速度は89km/h(+30km/h)になります。

3速ギヤでは4290rpmまで落ちて6400rpmで133km/h(+44km/h)に、4速ギヤでは5060rpmまで落ちて6400rpmで168km/h(+35km/h)に、5速ギヤでは4930rpmまで落ちて6400rpmで218km/h(+50km/h)になります。

続いて6速ギヤでは4990rpmまで落ちて6400rpmで280km/h(+62km/h)に、7速ギヤでは5370rpmまで落ちて6400rpmで333km/h(+53km/h)に、8速ギヤでは5080rpmまで落ちて6400rpmで420km/h(+87km/h)という具合に加速していくイメージです。

タイヤの最大駆動力にある数値は、エンジンが1370-4500回転で最大トルク51.0kgmを発生しているとき、各々のギヤを介したのち実際にタイヤへと伝えられるトルクで、この数値が大きいほどタイヤを回そうとする力が大きく、より力強い加速をすることができます。

この数値を大きくするにはギヤ比を低く(加速重視・ローギヤード)する、タイヤを小径化する、エンジンの最大トルクを大きくするという方法があります。逆にギヤ比を高く(最高速重視・ハイギヤード)したり、タイヤを大径化したり、デチューンして非力にすると駆動トルクは小さくなって加速が鈍ります。

さて、世の中にはパワーウェイトレシオ(1馬力が担う重量・PWR)に似ているようで少し違うトルクウェイトレシオ(1kgmが担う重量・TWR)という指標があります。単純に車両重量を最大トルクで割れば37.1kg/kgmですから、パワーウェイトレシオ(5.34kg/ps)に比べると霞んで見えます。

しかしトルクはギヤを介することで増幅され、たとえば1速ギヤの場合ですと2073.9kgmになります。これを踏まえて改めて車両重量(1890kg)を1速ギヤの最大駆動力(2073.9kgm)で割ってみると0.91kg/kgmとなり、今度は逆にPWRが霞んで見えるような数値が出てきます。最高出力が発生する6400回転でのトルク(39.6kgm)からTWRを算出すると1.17kg/kgmとなり、1370-6400回転の回転域では0.91-1.17kg/kgmの間で推移することがわかります。

ある速度における各ギヤでの回転数

ギヤ 40
km/h
60
km/h
80
km/h
100
km/h
120
km/h
140
km/h
180
km/h
1速 4310 6470 8630 10780 12940 15100 19410
2速 2880 4310 5750 7190 8630 10060 12940
3速 1930 2890 3850 4820 5780 6750 8670
4速 1520 2290 3050 3810 4570 5340 6860
5速 1170 1760 2350 2940 3520 4110 5290
6速 920 1370 1830 2290 2750 3200 4120
7速 770 1150 1540 1920 2300 2690 3450
8速 610 910 1220 1520 1830 2130 2740
※赤い数字は暫定レブリミット(6900rpm)を上回るもの。

この項目では各々のギヤと速度を基準として、任意のギヤを選択中に時速40km~180kmにて走行するとき、エンジンの回転数がどのくらいになるのかを一覧表にしてみました。この車の場合、最も高いギヤ(0.666)を選択して時速100kmにて走行すると1520回転まで回ります。

ちなみに、一般道の速い流れやバイパスでよくある60km/hでは910回転、対面通行の高速道路での制限速度70km/hでは1070回転、一般的な高速道路の80km/hでは1220回転、100km/hでは1520回転、制限速度が120km/hになると1830回転になります。小型・普通乗用車の速度リミッターが働く180km/hでは2740回転まで回ります。

これほどまでに時速100kmでの巡航回転数が低ければ、(パワーさえ足りていれば)高速道路では向かうところ敵なしです。エンジンノイズによる疲れとは無縁の世界、ただひたすらに回り続けるエンジンのなんと頼もしいことでしょう。これに合わせてタイヤのロードノイズ、風きり音すらも完璧に抑え込まれていたならば、これはもはや完全無欠の高級車です。

ある回転数における各ギヤでの速度

ギヤ 1000
rpm
2000
rpm
3000
rpm
4000
rpm
5000
rpm
6000
rpm
7000
rpm
8000
rpm
1速 9 19 28 37 46 56 65 74
2速 14 28 42 56 70 83 97 111
3速 21 42 62 83 104 125 145 166
4速 26 52 79 105 131 157 184 210
5速 34 68 102 136 170 204 238 272
6速 44 87 131 175 219 262 306 350
7速 52 104 156 208 260 313 365 417
8速 66 131 197 263 328 394 459 525

この項目では各々のギヤとエンジンの回転数を基準として、任意のギヤを選択中にエンジンを1000回転刻みで8000回転まで回したとき、それぞれのギヤでどのくらいの速度が出ているのかを一覧表にしてみました。暫定レブリミット(6900回転)よりも回転数が高くなる欄の速度については赤文字で表記してあります。


純正装着タイヤの255/35R19と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 255/35R19 | 直径 661mm

-20mm
幅235mm
-10mm
幅245mm
変更なし
幅255mm
+10mm
幅265mm
+20mm
幅275mm
-5%
30
扁平
235/30R19
37.8km/h
直径624mm
径差-37mm
245/30R19
38.1km/h
直径630mm
径差-31mm
255/30R19
38.5km/h
直径636mm
径差-25mm
265/30R19
38.9km/h
直径642mm
径差-19mm
275/30R19
39.2km/h
直径648mm
径差-13mm
0%
35
扁平
235/35R19
39.2km/h
直径648mm
径差-13mm
245/35R19
39.6km/h
直径655mm
径差-6mm
255/35R19
40.0km/h
661mm
0mm
265/35R19
40.5km/h
直径669mm
径差+8mm
275/35R19
40.9km/h
直径676mm
径差+15mm
+5%
40
扁平
235/40R19
40.6km/h
直径671mm
径差+10mm
245/40R19
41.1km/h
直径679mm
径差+18mm
255/40R19
41.6km/h
直径687mm
径差+26mm
265/40R19
42.1km/h
直径695mm
径差+34mm
275/40R19
42.5km/h
直径703mm
径差+42mm
+10%
45
扁平
235/45R19
42.1km/h
直径695mm
径差+34mm
245/45R19
42.6km/h
直径704mm
径差+43mm
255/45R19
43.1km/h
直径713mm
径差+52mm
265/45R19
43.7km/h
直径722mm
径差+61mm
275/45R19
44.2km/h
直径731mm
径差+70mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、235/35R19 、245/30R19、245/35R19 、255/30R19 、265/30R19 、275/30R19あたりのタイヤがおすすめです。

255/35R19のタイヤ幅を235mmから285mmまで、扁平率を20%から50%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、100km/h回転数、加速力と最高速の変化、走行距離計の誤差による実燃費とのズレについては、255/35R19の適応サイズと性能の変化 [F5CWGC型S5 カブリオレ編]のページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご検討くださいませ。


F5CWGC型S5 カブリオレ[3.0Lターボ 4WD/8AT]の得点(簡易版)

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.34kg/ps61.98
1速ギヤ加速性能0.91kg/kgm65.45
1L換算馬力118.2ps/L57.26
1L換算トルク17.03kgm/L56.15
WB/TR比1.7651.25
ワイド&ロー指数0.74559.98
前面の面積2.537m²51.32
最低地上高120mm64.35
スポーツ性能部門の得点467.74

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
JC08燃費12.5km/L43.15
年間維持費328320円50.19
100kmh回転数1520rpm64.38
航続距離725.0km51.16
車の大きさ11.936m³52.70
室内の広さ(仮) 2.164m³37.46
最小回転半径5.4m45.11
馬力単価27712円40.38
ユーティリティ部門の得点384.53

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した F5CWGC型S5 カブリオレ[3.0Lターボ 4WD/8AT] の総合得点は 852.27 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したS5 カブリオレ(4WD/8AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「3000ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。投稿日:2018/12/13


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